心理学と脳科学と営業の関わりとテクニック【トーク例】

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営業スキル・ノウハウ
心理学と脳科学と営業の関わり

営業と心理学、脳科学の関わりは非常に密接であり、特に個人営業や訪問販売においては、その理解が成果に大きく影響を与えます。以下はその関連についての説明です。

1. 心理学と営業の関わり

営業では、顧客の心を動かすことが最も重要です。そのため、心理学的なアプローチは非常に効果的です。

a. 信頼関係の構築(ラポール形成)

顧客との信頼関係(ラポール)を築くことは、営業成功の鍵です。心理学的に、人は信頼できる人から商品を購入したいと感じます。ラポール形成のためには、共感やミラーリング(相手の動作や言葉を真似る)といったテクニックが有効です。

b. フレーミング効果

フレーミングとは、同じ事実を異なる見方で伝えることで、相手の判断に影響を与える技術です。たとえば、保険商品の場合、「リスクを回避するために加入する」と伝えるか、「安心を手に入れるために加入する」と伝えるかで、顧客の反応が変わることがあります。

c. アンカリング効果

最初に提示された情報がその後の判断に大きな影響を与える現象をアンカリングと言います。例えば、高額な商品を最初に見せることで、その後の商品の価格が相対的に安く感じられるようになります。

d. 社会的証明の原理

他の人々が商品を購入したり評価したりしていることを示すと、顧客はそれに従う傾向があります。口コミやレビュー、実績を示すことで、顧客の信頼感を高めることが可能です。

2. 脳科学と営業の関わり

脳科学は、顧客の無意識的な意思決定プロセスを理解するために役立ちます。営業では、顧客の脳がどのように情報を処理し、意思決定に至るのかを理解することが効果的です。

a. 報酬系と快楽ホルモン

顧客が商品を購入する際、脳の報酬系(ドーパミン系)が活性化します。営業では、顧客に「得をする」「満足を得られる」と感じさせることが重要で、特に限定感や特典などが有効です。こうした要素が快楽ホルモンであるドーパミンを刺激し、購入意欲を高めます。

b. 恐怖やリスク回避のシステム

脳はリスクや不確実性を避けようとします。これを利用して、リスクを避けるための提案や商品(保険など)を説明することが有効です。顧客に対して「リスクを避けるためにはこれが必要」と感じさせることで、脳の回避システムを活性化させ、行動を促すことができます。

c. 感情的意思決定と理性的意思決定

脳には、感情に基づいた速い意思決定(システム1)と、論理に基づいた遅い意思決定(システム2)があります。多くの購買決定は感情によって行われ、その後に理性的に正当化されます。営業では、まず感情に訴えることが重要です。たとえば、「家族の安心」を訴求することで感情を揺さぶり、その後に「コストパフォーマンス」などの理性的な要素で後押しすることが効果的です。

d. ミラー・ニューロンの活性化

ミラー・ニューロンは、他者の行動を観察することで自分もその行動をしたかのように感じる神経細胞です。営業では、顧客に商品の使用場面を具体的に想像させたり、成功体験を共有することで、このミラー・ニューロンを活性化し、顧客に行動を促すことができます。

心理学を使った営業のテクニック【リフォーム営業編】

1. 好意の返報性を利用した訪問販売のトーク例(リフォーム営業)

営業担当(〇〇会社):
「こんにちは、〇〇会社の営業担当です。お時間少しいただいてもよろしいですか?実は、地域の皆さまに少しでも貢献したくて、無料で屋根の点検をさせていただいているんです。お住まいの屋根、普段見えにくいですよね?」

お客様:
「ああ、そうですね。確かに屋根は普段あまり見ていないです。」

営業担当:
「そうですよね。実は、先日この近くの家で小さな修繕が必要だった場所を見つけたんです。それをきっかけに、お客様のお家も無料で一度点検させていただけたらと思ってご提案させていただきました。もちろん、点検は完全無料ですし、特に修繕が必要ない場合でも安心していただけます。」

お客様:
「無料なんですね。特に修理しない場合でも大丈夫ですか?」

営業担当:
「はい、もちろんです。点検だけでも今後の参考になると思いますし、少しでもお役に立てたら嬉しいです。お客様の安全を第一に考えておりますので、点検後に何も問題がなければ、それで安心していただければ十分です。」

お客様:
「それなら、お願いしようかな…」

営業担当:
「ありがとうございます!それでは、早速日程を決めさせていただけますか?今週の土曜日か、来週の平日ですと、どちらがご都合よろしいでしょうか?」


このトークのポイント

  • 無料サービスの提供: 最初に「無料点検」という形でお客様に価値を提供します。これにより、好意の返報性を利用し、相手から「何か返さないといけない」という心理を誘発します。
  • 安心感の提供: 点検後に修理が必要ない場合でも「安心感」を得られることを強調し、顧客が気軽に受け入れやすくしています。
  • 具体的な日程提案: 最後に具体的な日程を提案し、流れるようにアポイントを取る形で次のステップに進めています。

このように、相手にまず無料の好意を提供し、その返報性を引き出すことで、アポイントや次のステップに繋げる効果が期待できます。

2.ハロー効果を利用した訪問販売のトーク例(リフォーム営業)

営業担当(〇〇会社):
「こんにちは、〇〇会社の営業担当です。私たちは、地域で数多くのリフォームを手がけておりまして、先日もこちらの近くのお家で大きなリフォームを行いました。お時間少し頂いてもよろしいでしょうか?」

お客様:
「あ、近所でリフォームされたんですね。」

営業担当:
「そうなんです。〇〇さんのお宅でも、外壁や屋根のメンテナンスはもう何年もされていないと伺いました。ちょうど、近くのお宅を手がけた際に、こちらのお家もとても綺麗にリフォームできそうだなと感じまして。お客様のお家も、あのように美しく、機能的に改善できるかと思います。」

お客様:
「へえ、どんなリフォームをされたんですか?」

営業担当:
「例えば、屋根は耐久性が高く、美しい仕上がりの最新の素材に変更しました。また、外壁も防水効果がある新しいコーティングを施したんです。お客様のお宅も、同じように長持ちして見た目も素晴らしいリフォームを提供できます。先日のお客様も非常に満足されていましたし、同じ仕上がりを期待していただけると思います。」

お客様:
「それはいいですね。うちもやったほうがいいかも…」

営業担当:
「ありがとうございます。お客様もご覧いただけるように、最新の技術でお家を守りつつ、美しい仕上がりをお約束いたします。もしよろしければ、無料でお見積もりもご提案できますので、早速日程を調整させていただけますか?」

お客様:
「そうですね、お願いしてみようかな。」

営業担当:
「では、今週末か来週の平日でお時間いただけますか?ご都合の良い日時を教えてください。」


このトークのポイント

  • ハロー効果の活用: 営業担当者は「近所の家のリフォーム実績」を使って、自社の信頼性や技術力を強調しています。これにより、お客様に対して「この会社は信頼できる」という印象を与えます。この印象がリフォーム提案全体にポジティブな影響を及ぼします。
  • 具体的な事例の提示: 実際に行ったリフォームの内容を具体的に説明することで、お客様に同様の価値が提供されるという期待を持たせています。
  • 仕上がりと機能性の両方をアピール: 美しい仕上がりと耐久性を同時に強調することで、お客様にとってのメリットを明確にしています。

ハロー効果を利用することで、他の成功例が顧客の決断に影響を与え、信頼感を醸成してアポイントにつなげることができます。

3.単純接触効果を利用した訪問販売のトーク例(リフォーム営業)

営業担当(〇〇会社):
「こんにちは、〇〇会社の営業担当です。実は先月もこちらの地域を訪問させていただきまして、その際にお話しした方々からとても良い反響をいただいております。今日はお時間少しよろしいでしょうか?」

お客様:
「ああ、先月も来られたんですね。」

営業担当:
「はい、何度かお伺いさせていただいております。実は、今回も地域の方々にリフォームに関する無料のご相談を提供させていただいております。お客様のお宅も、ぜひ一度ご相談いただければ、リフォームのプロが無料でアドバイスさせていただきますよ。」

お客様:
「うーん、前にちょっと興味があったけど、まだ具体的に考えてないんですよね。」

営業担当:
「それはよくあることですよ。リフォームは大きな決断ですから、無理に進めるものではありません。ただ、私たちも何度かお伺いしているので、今後お考えになる際の参考になればと思いまして、無料の点検やアドバイスだけでもお受けいただければと思います。何かご質問や気になることがあれば、何でもお答えいたします。」

お客様:
「そうですか、じゃあ相談だけでもお願いしてみようかな。」

営業担当:
「ありがとうございます!お客様が安心してご検討いただけるよう、しっかりとサポートさせていただきます。では、日程を調整させていただけますか?今週末か、来週の平日でご都合はいかがでしょう?」


このトークのポイント

  • 単純接触効果の活用: 営業担当者が何度か訪問していることを強調することで、顔なじみの安心感や信頼感を醸成しています。人は繰り返し接触する相手に対して好感を持ちやすくなるため、これを利用して自然な形でリフォームの提案に繋げています。
  • 強引さを避けるアプローチ: 「無理に進めるものではない」という言葉で、お客様がリフォームについて迷っている場合でも、安心して話を聞けるようにしています。
  • 信頼関係の構築: 何度も訪問していることで、「何度も顔を見せている会社だから信頼できる」という印象をお客様に与え、次のステップ(点検や見積もり)に進むための土壌を整えています。

単純接触効果を活用することで、訪問回数を重ねるたびに信頼を高め、顧客との関係を徐々に深めていくアプローチが効果的です。

4.メラビアンの法則を利用した訪問販売のトーク例(リフォーム営業)

営業担当(〇〇会社):
(営業担当者は笑顔で、リラックスした姿勢で訪問する)
「こんにちは、〇〇会社の営業担当です。今日もお伺いさせていただき、少しお話しできればと思います。お時間大丈夫でしょうか?」
(穏やかな声のトーンで話す)

お客様:
「うーん、ちょっと今は忙しいんですが…」

営業担当:
(少し頭を下げて感謝の表情を浮かべる)
「お忙しいところ、本当にありがとうございます。お客様のお家を拝見させていただくと、外壁の色合いがとても素敵で、きちんと手入れされているんだなと感じました。少しでもお役に立てればと思いまして。」
(ゆったりとした動作と、感謝の気持ちを込めた表情で伝える)

お客様:
「そうですか、ありがとうございます。でも、リフォームはまだ考えてないんです。」

営業担当:
(微笑みながら頷く)
「そうですよね。リフォームは大きな決断ですので、急ぐ必要は全くありません。お客様が必要だと感じられるタイミングで、お手伝いさせていただければ嬉しいです。」
(穏やかなトーンで、無理のない提案を行う)

お客様:
「そうですか、もう少し話を聞いてみてもいいかな。」

営業担当:
「ありがとうございます!本当に嬉しいです。私たち〇〇会社は、お客様のご要望に合った最適なプランを提供することを心掛けています。もし気になる点があれば、遠慮なくおっしゃってください。」
(親しみやすい微笑みを見せながら、少し前に身を乗り出す)


このトークのポイント

  • メラビアンの法則(7-38-55のルール):
    メラビアンの法則によれば、**話の内容(7%)よりも、声のトーンや話し方(38%)、そして表情や態度(55%)**がコミュニケーションにおいて大きな影響を与えます。このトークでは、営業担当者が言葉だけではなく、態度や表情、声のトーンを通じてお客様に信頼感や安心感を与えることに重点を置いています。
  • 感謝の気持ちを表情で伝える: 忙しい中で話を聞いてくれるお客様に感謝を示し、親しみやすい態度を見せることで、営業の押し付け感を和らげています。
  • 無理のない提案: リフォームを急かすのではなく、お客様のタイミングを尊重しながら、笑顔や落ち着いたトーンで話すことで、心地よい雰囲気を作り出しています。
  • 視覚的・感情的な影響: 言葉よりも非言語的な要素が大切だというメラビアンの法則を活かし、営業担当者が表情や態度で好意的な印象を与えることで、自然にお客様を引き込む効果があります。

このように、メラビアンの法則を意識して、非言語的な要素でお客様に安心感と信頼を与えることで、結果的にお客様から前向きな反応を得やすくなります。

5.ピークエンドの法則を利用した訪問販売のトーク例(リフォーム営業)

営業担当(〇〇会社):
「こんにちは、〇〇会社の営業担当です。先日は少しお話させていただきましたが、その後お家のことやメンテナンスについて何か気になる点などありませんでしたか?」

お客様:
「あまり気にしてないですね。今のところ特に問題はなさそうですが…」

営業担当(〇〇会社):
「そうなんですね、良かったです。実は、最近この近隣のお宅でもいくつかリフォームをお手伝いさせていただいていて、特にご満足いただいているのは、メンテナンスが早めにできたことで将来の大きな出費を防げたというお声なんです。『やってよかった』とおっしゃっていた方が多いんですよ。」
(ここで、他の顧客が満足した「ピーク体験」を強調して、お客様にリフォームのメリットを感じさせる)

お客様:
「へえ、そういうこともあるんですね。でも、今はまだそこまで急いでないかなと思ってるんですけど…」

営業担当(〇〇会社):
「確かに、急ぐ必要はないかもしれませんね。ただ、他のお客様も『特に急ぎじゃない』とおっしゃっていた方が多かったんですが、実際に早めに点検をした結果、小さな改善で済んで安心されたんです。後々の大きな問題を未然に防ぐことができるので、結果的にコストを抑えることができたんですよ。」
(早めに対応するメリットを伝え、次のステップを提案)

お客様:
「そうですか、まあ見てみてもらうのも悪くないかも…」

営業担当(〇〇会社):
「ありがとうございます。お客様のお家が長く快適に保てるよう、しっかりとサポートさせていただきます。もしよろしければ、具体的な状況を確認するために、一度ご訪問させていただければと思います。今週の土曜日か来週の平日ですと、ご都合いかがでしょうか?」
(ここで、自然に現場調査の話に持ち込み、スムーズに日程調整を進める)

お客様:
「じゃあ、来週の平日にお願いしようかな。」

営業担当(〇〇会社):
「ありがとうございます!それでは、来週の平日で日程を調整させていただきます。お家のこと、しっかり確認してご提案させていただきますのでご安心ください。」
(感謝の気持ちと安心感を強調し、ポジティブな印象で会話を締めくくる)


このトークのポイント

  • ピークエンドの法則の活用:
    他のお客様が「やってよかった」と感動した体験をピークとして強調し、お客様に同じようなポジティブな結果を期待させます。最後は、感謝と安心感を伝え、話をスムーズに締めることで「エンド」の印象も良いものにしています。
  • 最初の挨拶では現場調査を持ち出さない:
    最初は現場調査を直接提案せず、お客様に安心感やリフォームのメリットを感じてもらい、自然な流れで現場調査へ誘導しています。
  • 日時設定はスムーズに:
    具体的な日程を提示し、お客様が迷わずに次のステップに進めるようにしています。時間や日程の提案をスムーズに行うことで、無理なくアポイントを取ることができます。

このアプローチでは、ピークエンドの法則をうまく活用し、お客様に良い印象を残しながら、現場調査に自然に進むことができます。

まとめ

個人営業や訪問販売において、心理学と脳科学の知識を活用することで、顧客の行動や意思決定をより効果的に導くことができます。信頼関係の構築や感情に訴えるアプローチ、脳の報酬系やリスク回避のシステムを理解し、それらをうまく活用することが営業の成功に直結します。

これらの知識を実践に取り入れることで、営業の成果をさらに向上させることが可能です。

今回は、営業活動で使える心理学のテクニックを5つ紹介し、リフォーム営業のトークを題材に具体例をお伝えしました。以下がそのまとめです。

  1. 好意の返報性
    先に無料点検などの価値を提供し、相手が「返さなければ」と思う心理を活用します。
  2. ハロー効果
    「他の顧客の成功例」を提示することで、ポジティブな印象を与え、信頼を得やすくします。
  3. 単純接触効果
    何度も訪問することで親しみや信頼感を高め、自然にアポイントメントへとつなげます。
  4. メラビアンの法則
    言葉だけでなく、声のトーンや表情、態度がコミュニケーションに大きな影響を与えるため、非言語的要素を大切にします。
  5. ピークエンドの法則
    顧客の「感動の瞬間(ピーク)」と「終わりの印象(エンド)」を強調し、良い記憶を残して次のステップに進めます。

ぜひ、これらのテクニックを活用して、営業活動での成果を高めてください!

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