展示会後30日を制する営業:リードフォローアップの最新戦略

副業・企業するならエキスパで決まり!
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展示会は、多くの見込み客と短時間で出会える、非常に価値の高いマーケティング機会です。
来場者は明確な課題や興味を持ち、情報収集を目的にブースを回っているため、普段の営業活動では接点をつくりにくい層にもアプローチできます。

しかし、驚くことに、展示会で得たリードが実際の売上につながっている企業は全体のほんの一部しかありません。
その最大の理由が「展示会後30日間のフォローが不十分」であることです。

多くの企業が展示会当日の準備には力を入れますが、展示会が終わった瞬間に
・名刺だけが机の上に積まれていく
・フォローメールが1回で終わる
・優先度が分からず連絡が後回しになる
・何を送ればいいか分からない
といった状態になり、せっかく興味を持ってくれた見込み客の温度がどんどん下がっていきます。

実際、見込み客の心理は「展示会後72時間」を境に大きく変わります。

・展示会直後は関心が高い
・数日経つと情報が増えて記憶が混ざる
・1週間経つと印象が薄れる
・30日後には誰と何を話したか曖昧になる

展示会で作った“きっかけ”はごく短い時間しか持続しません。
だからこそ、展示会後の30日間で「どうフォローするか」が、売上につながるかどうかを大きく左右します。

つまり、展示会の成果を決めるのは当日ではなく「展示会後の設計」です。

本記事では、展示会後の成約率を最大化するために必要な最新フォローアップ戦略を、分かりやすく体系的にまとめました。
初動の動き方から、信頼構築、30日間の育成シナリオ、自動化の仕組みまで、実務でそのまま使える内容になっています。

展示会は“種まき”。
そして、展示会後の30日間フォローが“収穫”です。
成果を手にできるのは、この30日間を戦略的に設計した企業です。


  1. 第1章 なぜ「展示会後30日」が勝負の分かれ目なのか
    1. 1. 一時的に熱量はあるが、他社情報に埋もれやすい
    2. 2. 自社のことをうっすら覚えている程度
    3. 3. 検討モードに入りかけているが、判断材料が足りていない
    4. 4. この状態を放置すると、90%が他社に流れる
    5. だからこそ、「30日間のシナリオ設計」が売上を分ける
  2. 第2章 展示会当日にやるべきこと(0〜24時間以内)
    1. 1. 名刺のデータ化とタグ付け(温度感分類)
      1. だからこそ、当日中のデータ化が必須です。
      2. 温度感分類(A/B/C)を必ず行う
    2. 2. 感謝メールの即時送信(当日夜まで)
      1. 例文(自然で丁寧な形)
    3. 3. 興味のポイントをメモ化(次のフォローに直結する資産)
      1. メモ化のポイント
      2. なぜメモが重要なのか?
    4. 展示会当日の動きがすべてを決める
  3. 第3章 最初の72時間で差がつく「高速フォロー体制」
    1. 1. 連絡チャネルの最適化(複数チャネルで接触する)
      1. メール:丁寧な情報提供に最適
      2. 電話:深掘りヒアリングに最適
      3. SMS:簡単な確認連絡に最適
      4. LINE:関係性づくりに最適
      5. 複数チャネルで連絡する理由
    2. 2. ヒアリングに繋がるフォロートーク(情報提供を入り口にする)
      1. 効果的な一言(例)
    3. 3. 断られにくいアポイントの取り方(相談ベースが最強)
      1. 相談ベースのアポ依頼(例)
      2. 相談ベースが強い理由
    4. 72時間以内のフォローが商談化率を決める
      1. 72時間でやるべきこと
  4. 第4章 展示会後7日以内:信頼構築フェーズ
    1. 1. 顧客の課題を言語化してあげる(信頼の核心)
      1. 例:課題を言語化する会話や文章
    2. 2. クイック価値提供(小さな有益体験を届ける)
      1. 具体的な価値提供例
      2. 価値提供の目的は「関係性を強化すること」
    3. 3. ステップ配信で関係を維持(自動化による抜け漏れ防止)
      1. ステップ配信とは?
      2. 7日間のステップ配信例
    4. 最初の7日間は「信頼を積み上げる期間」
  5. 第5章 展示会後30日間のゴール設計
    1. 1. 逆算シナリオ(ゴールから逆算して設計する)
      1. 最終ゴール例
      2. 逆算シナリオの例(商談獲得がゴール)
    2. 2. リードの温度感管理(A/B/C分類でフォロー頻度を変える)
      1. A:高温(すぐ商談化できる層)
      2. B:中温(比較検討が必要な層)
      3. C:低温(今すぐ検討しない層)
    3. 3. 見逃しゼロの管理術(CRMで状況を可視化する)
      1. フォロー漏れを防ぐための管理方法
      2. 見逃しゼロ管理のメリット
    4. 30日間の設計で展示会の成果は何倍にも伸びる
  6. 第6章 成約率を最大化する実践フォロー戦略
    1. 1. 訪問かZoomかの判断(顧客が参加しやすい形を選ぶ)
      1. Zoomが適している場合
      2. 訪問が適している場合
      3. 重要なのは「お客様の負担を減らす」こと
    2. 2. 「資料だけ欲しい」と言われた時の対応(失注を防ぐ鉄則)
      1. 成功する営業がやっていること
      2. 資料を送る=スタートでありゴールではない
    3. 3. 価格ではなく“価値”で勝つ(価格競争から抜け出す方法)
      1. 価値の伝え方のポイント
      2. 価値が伝われば、価格の比較だけで負けなくなる
    4. 4. 離脱を防ぐ心理トリガー(自然に背中を押す方法)
      1. 心理トリガーの例
      2. ポイントは“自然に使うこと”
    5. 成約率は“設計”で大きく変わる
  7. 第7章 展示会フォローの自動化・テンプレート化戦略
    1. 1. 自動化のポイント(営業効率を一気に引き上げる仕組み)
      1. ① メールステップ配信
      2. ② LINE自動返信・タグ付け
      3. ③ 行動スコアリング
      4. ④ CRM連動
    2. 2. 行動分析(動いている見込み客を優先的に追う)
      1. 確認すべき行動データ
      2. 行動分析のメリット
    3. 3. 最強テンプレ集(誰でも成果を出せる“再現性の武器”)
      1. ① 初回連絡テンプレ
      2. ② ヒアリングテンプレ
      3. ③ 資料送付テンプレ
      4. ④ アポ獲得テンプレ
      5. テンプレ化の効果
    4. 仕組みを作れば、フォローは“勝手に成果が出る”
  8. 第8章 失敗するパターンと成功企業の共通点
    1. ■ 失敗する企業に共通するパターン
      1. 1. 展示会後の初動が遅い
      2. 2. A/B/Cの分類をしていない
      3. 3. 資料送って終わり
      4. 4. 連絡が1回で止まる
      5. 5. フォローの目的が曖昧
    2. ■ 成功している企業に共通するポイント
      1. 1. 当日フォロー
      2. 2. 72時間以内のアプローチ
      3. 3. 7日以内の価値提供
      4. 4. 30日間のシナリオ運用
      5. 5. 自動化とテンプレート活用
    3. 展示会フォローは「徹底した企業が勝つ」
  9. 第9章 まとめ:展示会フォローは「設計すれば勝てる」
    1. 展示会後30日間の成功要素はたった4つ
      1. 1. 初動のスピード
      2. 2. 価値提供
      3. 3. 30日間のシナリオ設計
      4. 4. 自動化と仕組み化
    2. 展示会は種まき、30日フォローは収穫
    3. 結論:成果を得るのは「フォローを設計した企業」

第1章 なぜ「展示会後30日」が勝負の分かれ目なのか

展示会で出会った見込み客の関心は、想像以上のスピードで薄れていきます。
特に「展示会後72時間」を過ぎると、来場者の熱量は半分以下になると言われています。
これは、展示会という非日常の空間で一時的に高まったテンションが、日常に戻ることで急速に落ちていくからです。

まず理解しておきたいのは、展示会はあくまで「興味のきっかけ」であり、
・商談が始まったわけでもなく
・本気で比較検討を始めたわけでもなく
・決定の材料が揃ったわけでもない
という点です。

展示会後のお客様の状態を整理すると、次のような特徴があります。


1. 一時的に熱量はあるが、他社情報に埋もれやすい

展示会では多くの企業がブースを構え、似たような製品やサービスが並びます。
来場者は短時間で大量の情報を受け取るため、展示会が終わった瞬間から、どの企業が何を言っていたのか徐々に曖昧になっていきます。

展示会当日の会話では好印象だったとしても、
「他社と混ざってどれがどれだったか分からない」
という状態になりがちです。


2. 自社のことをうっすら覚えている程度

展示会での名刺交換は数十件、多い人では100件を超えることもあります。
そのため、来場者が覚えているのは「なんとなくの印象」だけです。

・ロゴが見覚えある
・話してくれた営業が優しかった気がする
・資料をもらった気がする

このくらいの“ぼんやりした記憶”しか残っていません。

それほど、「展示会での接触」は記憶として強く残りにくいのです。


3. 検討モードに入りかけているが、判断材料が足りていない

展示会に来るお客様は、ほとんどが“情報収集段階”です。
具体的な課題意識はあるものの、

・比較ポイントが分からない
・どこが自社に合うのか判断できない
・提案内容の違いが理解できていない
・何を基準に決めればいいのか不明

このように、検討を始める前の“準備段階”にいます。

つまり、展示会直後は熱量が高いものの、検討の仕方が分からず一旦思考が止まる状態になりやすいのです。


4. この状態を放置すると、90%が他社に流れる

展示会後にフォローが途切れると、見込み客は次のように行動します。

・別の企業からの丁寧なフォローが来る
・比較対象が増えて迷いが深まる
・そもそも検討の優先順位が下がる
・忙しい日常に戻り、そのまま忘れる

結果として、展示会で得たリードが“名刺の山”になってしまいます。

展示会で出会った瞬間というのは、いわば「芽が出た瞬間」です。
しかし、30日間で水をやらなければ、芽は自然と枯れてしまいます。


だからこそ、「30日間のシナリオ設計」が売上を分ける

展示会後に成果を出している企業は例外なく、
「30日間の具体的なフォローシナリオ」を持っています。

例:
1〜3日目:お礼+資料+軽い質問
3〜7日目:課題整理・比較ポイントの提供
7〜14日目:事例紹介・初回相談の誘導
14〜30日目:具体的な提案へ自然に進む流れづくり

この“設計”がある企業は、見込み客の心理変化に合わせて自然に情報を届けられるため、
「無理に売り込むのではなく、気づいたら商談に入っていた」
という流れをつくることができます。

展示会はきっかけ。
展示会後30日間が勝負。
売上が上がるかどうかは、この30日間の設計力でほぼ決まります。


第2章 展示会当日にやるべきこと(0〜24時間以内)

展示会後のフォローを成功させるためには、まず“展示会当日の0〜24時間”の動き方が最も重要です。
この24時間は、見込み客の記憶も鮮明で、あなたや会社に対する印象も残っている貴重な時間帯です。

逆に言えば、この24時間の動きが遅れた瞬間から、競合との勝負は一気に不利になります。
ここでは、必ず押さえておくべき3つの行動を、より具体的に解説します。


1. 名刺のデータ化とタグ付け(温度感分類)

展示会では、多い担当者で1日50〜100枚の名刺を交換します。
しかし、展示会が終わった後、その名刺が机の上で山積みになり、一枚ずつ連絡する頃には1週間以上経っていた…というケースは非常に多いです。

これでは、せっかくの見込み客の興味は完全に途切れてしまいます。

だからこそ、当日中のデータ化が必須です。

名刺の情報を
・CRM
・スプレッドシート
・名刺管理アプリ
などに当日中に入力し、すぐにフォローできる状態にすることが重要です。

温度感分類(A/B/C)を必ず行う

A:具体的な相談が出た、導入時期が近い
B:興味はあるが、比較検討が必要
C:情報収集段階、これから育てる層

この分類を当日中にやるだけで、翌日からのフォロー効率が3倍以上変わります。

なぜなら、
「誰から優先的にフォローすべきか」
が一目で分かるようになるからです。

展示会リードを活かす企業は例外なくこの分類が徹底されています。


2. 感謝メールの即時送信(当日夜まで)

展示会で名刺交換した相手には、その日の夜までに感謝メールを送るのが鉄則です。

ポイントは、営業トークではなく
“あなたの話を確かに聞いていました”
という事実を伝えることです。

例文(自然で丁寧な形)

「本日はお時間をいただきありがとうございました。
展示会では〇〇についてお話しいただき、とても参考になりました。
資料を後ほどお送りしますので、必要な時にお役立てください。」

このレベルで十分です。

ここで大切なのは、
・即返信するスピード感
・記憶が残っているうちに“関係性”を作ること
・営業色を出さず、信頼のベースを作ること

展示会後に成果が出る企業は、例外なくこの“当日メール”が抜群に速いです。


3. 興味のポイントをメモ化(次のフォローに直結する資産)

展示会の会話は短くても、そこに見込み客の「本音」や「課題のヒント」が必ず含まれています。

・何に興味を持っていたのか
・どの資料をじっと見ていたのか
・どの話題に反応したのか
・どんな課題を口にしたのか
・社内の状況に触れていたか
・決定権者は誰か

こうした「小さな情報」が、後のフォローで大きな武器になります。

メモ化のポイント

・展示会当日中に記録する(記憶が鮮明なうちに)
・CRMにすぐ入力する
・分類(課題・興味領域・導入時期など)を分かりやすくしておく

なぜメモが重要なのか?

理由はシンプルで、
“覚えてくれている営業”に人は心を開くから です。

次のフォローメールで、
「展示会でお話しいただいた〇〇の件について…」
と触れるだけで、相手は
「あ、この人は私の話をちゃんと覚えていてくれた」
と感じ、心を開いてくれます。

信頼はここから生まれます。


展示会当日の動きがすべてを決める

展示会後の成功企業は、展示会当日のうちに次の3つを必ず完了させています。

  1. 名刺のデータ化と温度感分類
  2. 当日中の感謝メール送信
  3. 興味ポイントのメモ化とCRM登録

これらは「小さな行動」ですが、成約率の差は驚くほど大きくなります。

展示会後30日間のフォローを成功させる基盤は、この初日の動きでほぼ決まると言っても過言ではありません。


第3章 最初の72時間で差がつく「高速フォロー体制」

展示会後の72時間は、見込み客の興味がもっとも高い“ゴールデンタイム”です。
この72時間にどれだけ丁寧に接触できるかで、商談化率は2〜3倍変わります。

逆に、この期間を逃すと見込み客の記憶は薄れ、競合に先手を取られる可能性が高くなります。
ここでは、成果を最大化するために行うべき3つのポイントを詳しく解説します。


1. 連絡チャネルの最適化(複数チャネルで接触する)

展示会後のフォローでは、1つの連絡手段に頼るのではなく、「複数チャネルを使い分ける」ことが重要です。

メール:丁寧な情報提供に最適

・展示会のお礼
・資料の送付
・詳細情報の共有
文章で残るため、情報の整理や後日の見返しに向いています。

電話:深掘りヒアリングに最適

短い時間でも相手の温度感や課題を直接把握できます。
声のトーンで信頼感が伝わり、距離が一気に縮まります。

SMS:簡単な確認連絡に最適

・資料届いていますか?
・今日3分だけお話できますか?
といった短いメッセージは開封率が非常に高いです。

LINE:関係性づくりに最適

・質問しやすい
・返信しやすい
・距離が縮まりやすい
というメリットがあり、継続的な接触に強い武器になります。


複数チャネルで連絡する理由

メールだけ、電話だけでは“単発で終わりやすい”ためです。

複数の手段で連絡をすると、見込み客は
「この会社は本当に自分を気にしてくれている」
と感じ、返信率が格段に上がります。


2. ヒアリングに繋がるフォロートーク(情報提供を入り口にする)

展示会後の最初の接触では、いきなり商談を迫ったり、売り込みを始めるのは逆効果です。

最善のアプローチは「情報提供」から入ることです。

効果的な一言(例)

「展示会でお話しされていた〇〇について、参考資料をまとめました。
必要であれば、簡単にご説明もできます。」

この一言には次の効果があります。

・相手の記憶を呼び起こす
・営業臭がなく、相手が構えない
・“必要であれば”という表現で心理的負担が減る
・自然に次のコミュニケーションに繋がる
・軽い相談の場をつくりやすい

もっとも重要なのは、
“あなたの話を覚えていた”というメッセージが伝わること
です。

この瞬間、相手は一気にあなたに対して好印象を持ちます。


3. 断られにくいアポイントの取り方(相談ベースが最強)

展示会後のフォローでアポが取れない最大の理由は、
「提案ありきのアポ依頼になっている」
ということです。

見込み客が本当に求めているのは、
“自分の状況を整理してくれる相手”
です。

だからこそ、アポイントは「相談ベース」で取るのが最も効果的です。


相談ベースのアポ依頼(例)

「展示会でお話しされていた〇〇について、どのように比較・検討すれば良いのか、一度一緒に整理させていただければと思っています。」

「今の課題について、3〜5分で状況確認をさせていただければ、必要な資料や比較ポイントをお渡しできます。」


相談ベースが強い理由

・相手が“売り込まれる心配”をしなくなる
・情報整理のメリットが明確で、断りにくい
・営業ではなく“パートナー”として見られる
・商談に自然に繋がる
・顧客が本音を話してくれる

つまり、
“売るため”ではなく、“手伝うため”という姿勢を伝えること
でアポイントの成立率は一気に高まります。


72時間以内のフォローが商談化率を決める

展示会後の見込み客は、時間とともに熱量が急速に下がります。
だからこそ、最初の72時間をどう過ごすかが、成功のカギになります。

72時間でやるべきこと

  1. 複数チャネルでの接触(メール+電話+SMS+LINE)
  2. 情報提供ベースのフォロー(相手の記憶を呼び起こす)
  3. 相談ベースのアポ提案(断られにくく、自然に商談へ)

この3つを徹底するだけで、展示会後の商談化率は劇的に上がります。


第4章 展示会後7日以内:信頼構築フェーズ

展示会後の最初の7日間は、「見込み客との関係を強くし、信頼を積み上げる期間」です。
この1週間でどれだけ“価値のある接触”を積み重ねられるかによって、その後の商談化率が大きく変わります。

ただ連絡するだけでは意味がありません。
お客様が「この人なら相談したい」と思える“信頼の土台”をつくることが、この時期の目的です。

ここでは、そのために必要な3つの行動を詳しく解説します。


1. 顧客の課題を言語化してあげる(信頼の核心)

信頼を得るうえで最も効果が高いのが、
「顧客が気づいていない課題を整理してあげること」
です。

多くのお客様は、展示会に来場した時点で「なんとなく困っている」状態ですが、
・何が本当に問題なのか
・どこから手をつければいいのか
・どう比較すれば良いのか
を明確に説明できていません。

売れる営業は、展示会での会話内容をもとに、次のように整理してあげます。


例:課題を言語化する会話や文章

「展示会でお話しされていた内容から考えると、
御社の課題は “〇〇の効率化” と “□□のコスト削減” の2つが大きいと感じています。
ここを整理すると、比較・検討のポイントが見えやすくなると思います。」


このように“お客様の代わりに課題を言葉にしてあげる”だけで、信頼は一気に深まります。

なぜかというと
「自分のことを理解してくれている」
と感じてもらえるからです。


2. クイック価値提供(小さな有益体験を届ける)

展示会後7日以内に、相手にとって「使える情報」を1つでも届けることは、とても強力です。

重要なのは、難しい資料ではなく“すぐ役に立つもの”であることです。

具体的な価値提供例

・業界ニュースの簡単なまとめ
・比較表(A社とB社の違い)
・短い導入事例
・チェックリスト(検討時のポイント)
・展示会で話題になったテーマの追加説明

こうした小さな価値提供は、
「この人の情報はいつも役に立つ」
と思ってもらえるきっかけになります。


価値提供の目的は「関係性を強化すること」

提供するものは高価な資料でなくて構いません。
大切なのは
・お客様の役に立つこと
・検討の前に進む材料を渡すこと
・返信しやすい空気をつくること

価値提供は“信頼のタネ”をまく行為です。


3. ステップ配信で関係を維持(自動化による抜け漏れ防止)

展示会後は、1件1件に個別で連絡するのは現実的に難しくなります。
そこで効果を発揮するのがメールやLINEの「ステップ配信」です。

ステップ配信とは?

決められた日数・タイミングで自動的にメッセージを届ける仕組みのことです。

7日間のステップ配信例

1日目:展示会のお礼・資料
3日目:課題の整理(簡単な質問)
5日目:事例紹介
7日目:個別相談の軽い案内

このように、7日間で3〜4回の接触を“仕組み化”しておくことで、

・フォローの抜け漏れがなくなる
・大量のリードを継続的に育てられる
・営業マン1人でも対応できる
・相手に「気にかけてくれている」印象を残せる

という大きなメリットがあります。


最初の7日間は「信頼を積み上げる期間」

展示会後のお客様は、まだ比較検討が始まったばかり。
この7日間でやるべきことは、

  1. 課題を整理してあげる
  2. 価値ある情報を届ける
  3. 自動化で継続接触する

の3つです。

これらを丁寧に積み上げることで、
「この人は信用できる」「相談してみたい」
という感情が生まれ、商談化率が大きく高まります。


第5章 展示会後30日間のゴール設計

展示会後の30日間は、見込み客が「興味 → 検討 → 決定」という3つの心理ステージを通過する重要な期間です。
この30日間をどう設計するかによって、商談化率も成約率も大きく変わります。

展示会は“出会いのきっかけ”にすぎず、本当の勝負はこの30日間です。
ここでは、成果を最大化するために必要な3つの視点を詳しく解説します。


1. 逆算シナリオ(ゴールから逆算して設計する)

フォローで成果が出る企業は例外なく、「ゴールを明確にした逆算シナリオ」を持っています。

まずは、30日間で何を達成したいのかを決めることから始まります。

最終ゴール例

・商談の日程を確定する
・見積り依頼をもらう
・サービス申込に繋げる
・個別相談、デモ依頼を獲得する

ゴールが決まれば、そこから逆算して「いつ・何を・どの順番で届けるか」を組み立てます。


逆算シナリオの例(商談獲得がゴール)

1〜3日目:
お礼メール、資料送付、簡単なヒアリング質問

3〜7日目:
課題整理のサポート、比較ポイントの提示

7〜14日目:
導入事例、改善イメージ、メリットの提示

14〜30日目:
個別相談・商談の提案、日程調整


このように、段階に応じて自然と商談へ流れる“道筋”をつくっておくことが重要です。
場当たり的な連絡ではなく、ストーリーのあるフォローが結果を生みます。


2. リードの温度感管理(A/B/C分類でフォロー頻度を変える)

全ての見込み客に同じ連絡頻度で接触するのは、効率も成果も落とす原因になります。

展示会後にもっとも大切なのは、
「いま誰を優先して追うべきか」を見分けること
です。

そのため、温度感に応じてA/B/Cに分け、フォロー頻度を調整します。


A:高温(すぐ商談化できる層)

・課題が明確
・導入時期が近い
・展示会で具体的な相談が出た

フォロー頻度:週2〜3回
→ 情報提供だけでなく、相談ベースの提案を積極的に行う。


B:中温(比較検討が必要な層)

・興味はあるが、まだ迷いがある
・情報不足で判断できていない

フォロー頻度:週1回
→ 比較表や事例など、“検討を前に進める材料”を中心に送る。


C:低温(今すぐ検討しない層)

・情報収集段階
・将来的に可能性はあるが、現時点では優先度が低い

フォロー頻度:月1〜2回
→ 業界ニュースやライトな接触でよい。


温度感は日にちが経つほど変化します。
それに応じてフォロー内容や頻度を柔軟に調整することが大切です。


3. 見逃しゼロの管理術(CRMで状況を可視化する)

展示会のフォローでもっとも大きな損失は、
「フォロー漏れ」 です。

せっかく温度の高い見込み客がいても、
・忙しくて連絡を忘れる
・誰がどこまで対応したか不明
・資料送った後の次の行動が曖昧
という状態では成果は出ません。


フォロー漏れを防ぐための管理方法

・CRMにすべて入力する
→ 行動履歴/温度感/次回アクションを一元管理

・フォローのステータスを定義する
例:新規 → アプローチ中 → 育成中 → 商談化 → 失注/保留

・次回フォロー日を必ず設定する
「いつ、何をするか」を明確にすることで漏れを防げます。

・スプレッドシートでもOK
小規模チームならスプレッドシートでも十分効果があります。


見逃しゼロ管理のメリット

・営業担当者同士で状況が共有できる
・高温リードを取りこぼさない
・優先順位が明確になる
・30日後の成果が安定する
・属人的な営業から脱却できる

フォローは「行動の量」ではなく「行動の管理」で成果が決まります。


30日間の設計で展示会の成果は何倍にも伸びる

30日間でやるべきことは次の3つです。

  1. ゴールから逆算して、ストーリーのあるフォローを設計する
  2. 温度感によって優先順位とフォロー頻度を変える
  3. CRMやシートで“見逃しゼロ”の体制を作る

この3つを徹底するだけで、展示会のリードは「単なる名刺の山」ではなく、“売上の源泉”へと変わります。


第6章 成約率を最大化する実践フォロー戦略

展示会後のフォローが順調に進んでくると、次に重要になるのが「商談化してからどれだけ成約率を高められるか」です。
ここから先は、単なる連絡ではなく“お客様の意思決定を後押しする支援”が求められます。

本章では、成約率を大きく引き上げる4つの実践ポイントをわかりやすく解説します。


1. 訪問かZoomかの判断(顧客が参加しやすい形を選ぶ)

商談の場をつくる際、訪問とZoomを選ぶ基準は「こちらの都合」ではなく、
“お客様が参加しやすい方法”
です。

Zoomが適している場合

・決定権者が複数いて、全員の時間調整が難しい
・まずは情報整理が中心
・気軽に相談したい段階
・遠方や他県など距離がある場合

Zoomは「参加のハードルが低い」ため、実施率が高いのが特徴です。
案件が早く進むメリットもあります。


訪問が適している場合

・現場確認が必要
・建物や設備の状態を見て判断する必要がある
・高額商材で信頼を深めたい
・細かい条件の調整が必要

訪問は“信頼構築力”が圧倒的に強く、対面での会話だからこそ得られる情報量があります。


重要なのは「お客様の負担を減らす」こと

「お客様が参加しやすい方法=商談化率が高い方法」でもあります。
こちらがどちらかに固執するのではなく、柔軟に提案できることが成約への近道です。


2. 「資料だけ欲しい」と言われた時の対応(失注を防ぐ鉄則)

展示会後のフォローで最も多い断り文句が
「資料だけ送ってください」
です。

しかし、資料だけ送り、それで終わってしまうと、高確率で失注します。

理由は簡単で、
資料だけでは“価値が伝わらない”から
です。


成功する営業がやっていること

資料送付の際に、必ず「補足説明の提案」をセットにします。

例:
「資料の中に、特に重要なポイントがありますので、3分だけ補足説明させてください。」
「資料では伝わりにくい部分がありますので、短くまとめてお話できます。」

この一言で、
・相手は“3分ならいいか”と感じてくれる
・補足説明という名の「ヒアリング機会」が作れる
・資料への理解が深まり、優先度が上がる

といったメリットが生まれます。


資料を送る=スタートでありゴールではない

資料送付は「きっかけを作る行動」であり、
そこからコミュニケーションへつなげることが本当の目的
です。


3. 価格ではなく“価値”で勝つ(価格競争から抜け出す方法)

展示会後は、見込み客が「複数社を比較している状態」になります。
ここで多くの企業が間違えるのが、
“価格だけの勝負に入ってしまうこと”
です。

しかし、お客様は“安いものを買いたい”のではなく、
“理解できたものを選びたい”
という心理があります。


価値の伝え方のポイント

・なぜこの価格なのか
・導入後にどんな成果が出るのか
・他社との違い(工程・品質・サポート)
・リスクをどう減らせるか
・お客様にどんなメリットがあるか

これらを丁寧に言語化することで、価格以外の判断軸を提供できます。


価値が伝われば、価格の比較だけで負けなくなる

決して“高くても売れる”と言っているわけではありません。
重要なのは、
「価値の説明が十分にされているかどうか」
です。

伝えきれれば価格競争から抜け出せます。
逆に伝えきれなければ、どんな商品でも“高く感じられる”のです。


4. 離脱を防ぐ心理トリガー(自然に背中を押す方法)

お客様は、比較検討の最終段階で必ず迷います。
この“迷いの壁”を自然に越えていただくために有効なのが、心理トリガーです。

心理トリガーの例

  1. 期限
    「今月中にご依頼いただければ…」
    → 人は期限があると行動しやすい。
  2. 限定
    「先着3社」「展示会限定特典」
    → 希少性は決断を加速させる。
  3. 他社事例
    「同業の〇〇様は、こうして導入されています」
    → 自分事としてイメージしやすくなる。
  4. 損失回避
    「導入が遅れると、〇〇のコストが増える可能性があります」
    → 人は“得をする”よりも“損を避ける”方が行動しやすい。

ポイントは“自然に使うこと”

押し売りではなく、
「事実として、お客様にとって必要だから伝える」という姿勢が重要です。

心理トリガーは乱用すると逆効果になりますが、
適切なタイミングで提供すれば、決断を優しく後押ししてくれる強力な武器
になります。


成約率は“設計”で大きく変わる

展示会後のフォローは、ただ連絡するだけでは成果に繋がりません。
・商談の設定をどうするか
・資料送付の後の動線をどう作るか
・価値をどう伝えるか
・迷いをどう解消するか

これらを丁寧に設計していくことで、成約率は大幅に上がります。

“売る”のではなく、“決断を手伝う”。
これが、展示会後フォローの本質です。


第7章 展示会フォローの自動化・テンプレート化戦略

展示会後のフォローは、見込み客の人数が多ければ多いほど“人的対応だけでは追いつかない”という問題が発生します。
その結果、フォロー漏れが生じたり、高温リードを取り逃したり、担当者ごとに対応品質がバラついたりします。

そこで重要になるのが 「自動化」と「テンプレート化」 です。
この2つを導入するだけで、営業マン1人でも100〜500件のリードをストレスなく追える体制が整い、成約率も大幅に上がります。


1. 自動化のポイント(営業効率を一気に引き上げる仕組み)

展示会後のフォローは“量×質”が求められるため、仕組み化が欠かせません。
以下4つの自動化ポイントを組み合わせることで、フォローの抜け漏れをゼロにしつつ、営業活動の質を維持できます。


① メールステップ配信

事前に設定したメールを、指定の日数に合わせて自動的に配信する仕組みです。

例:7日間ステップ
1日目:お礼メール+資料
3日目:課題整理・チェックリスト
5日目:導入事例
7日目:個別相談の案内

メールは一度作っておけば、展示会で獲得した全リードに自動で流れます。
特に初期接触の「質の統一化」に効果的です。


② LINE自動返信・タグ付け

LINEは開封率が高く、展示会後のフォローに最適です。

自動化の使い方例
・資料リンクを自動送信
・お問い合わせ内容に応じてタグ付け
・ステップ配信で価値提供
・リマインドの自動メッセージ

LINEは“距離が縮まりやすい”ため、信頼関係の構築スピードが速くなります。


③ 行動スコアリング

メール開封、リンククリック、資料閲覧、サイト滞在時間などを点数化し、
「今、興味を持っている人」を自動判定する仕組みです。

スコアリングによって、営業マンは
・アポに繋がりやすい相手
・温度感が高い相手
だけに集中的に時間を使えるようになります。

結果:効率が劇的に上がる


④ CRM連動

CRMで
・誰に連絡したか
・次回フォローはいつか
・商談化状況
・メモ/温度感
などを一元管理します。

メール・LINE・電話ログも紐づくため、
「誰がどこまで対応したか」を全員で共有でき、組織として漏れがなくなります。


2. 行動分析(動いている見込み客を優先的に追う)

展示会のリード全員が同じ温度で動いているわけではありません。
成功する企業は、行動データを元に「優先順位」をつけています。


確認すべき行動データ

・資料を開いたか
・何回開いたか
・どのページをよく見ているか
・サイトを訪問したか
・比較ページを見たか
・料金ページにアクセスしたか
・動画を最後まで見たか

これらの行動は、
“今すぐ追うべき相手”
が誰なのかを明確に教えてくれます。


行動分析のメリット

・温度の高い顧客を見逃さない
・無駄な連絡を減らせる
・商談化率が2〜3倍上がる
・タイミングを逃さずアプローチできる

数百件のリードがあっても、効率的に追えるようになります。


3. 最強テンプレ集(誰でも成果を出せる“再現性の武器”)

テンプレートは「営業の品質を統一し、成果を標準化する」ために欠かせません。
特に展示会後のフォローでは、最初の数回の接触が成約率を左右するため、テンプレ化の効果は非常に大きいです。


① 初回連絡テンプレ

・お礼
・記憶の紐づけ
・簡単な価値提供
を丁寧にまとめたもの。返信率が高くなる。


② ヒアリングテンプレ

・課題
・背景
・導入時期
・意思決定フロー
・予算感
などを自然に引き出す質問リスト。


③ 資料送付テンプレ

資料を送るだけで終わらせず、
「補足説明」につなげる文章をセットにしたもの。


④ アポ獲得テンプレ

・相談ベース
・負担の少ない提案
・短い時間でもOKという安心感
を伝える型。断られにくく、自然に商談化できる。


テンプレ化の効果

・新人でもレベルの高い営業ができる
・対応のばらつきがなくなる
・スピードが上がる
・成約率が1.5〜2倍に上がる

展示会後のフォローは「設計 × 自動化 × テンプレ化」で圧倒的に効率化できます。


仕組みを作れば、フォローは“勝手に成果が出る”

展示会フォローは、
・自動化で抜け漏れゼロ
・行動分析で優先順位が明確
・テンプレ化で誰でも高い営業力
という状態がつくれます。

つまり、
人が動くのではなく“仕組みが動く”状態を作ることが成功の鍵
です。

展示会は「出会い」。
フォローの仕組みは「収穫装置」。
この装置を整えた企業だけが、展示会を成果に変えることができます。


第8章 失敗するパターンと成功企業の共通点

展示会フォローには、成果を出す企業とそうでない企業の差がはっきり現れます。
しかもその差は「営業力の差」ではなく、
“やるべきことをやっているかどうか”
という非常にシンプルなポイントにあります。

本章では、失敗パターンと成功パターンを分かりやすく比較しながら、成否を分ける本質を深掘りしていきます。


■ 失敗する企業に共通するパターン

1. 展示会後の初動が遅い

展示会後、1週間以上経ってから連絡が来る企業は非常に多いです。
しかしこの時点で、見込み客の記憶はほぼ薄れており、興味も冷めています。

「展示会後72時間」が勝負である理由を理解していない企業は、この時点で大きく後れを取ります。


2. A/B/Cの分類をしていない

すべての見込み客を同じように扱うと、
・高温リードの取りこぼし
・低温リードへの無駄なアプローチ
が発生し、生産性を大きく下げます。

“誰から優先的に追うべきか”が見えていない状態です。


3. 資料送って終わり

「資料を送れば仕事をした気になる」という企業ほど成果が出ません。
資料を送っただけでは、理解も深まらず、次の接点も生まれません。

資料送付はただの“スタート”であり、そこからコミュニケーションを作らなければ意味がありません。


4. 連絡が1回で止まる

最初のメールや電話に返信がないと、そこで止まってしまうパターンです。

しかし展示会直後の見込み客は、
・忙しい
・まだ決めていない
・返信しそびれている
といった理由で返事を返していないだけのケースがほとんどです。

1回の連絡で諦める企業は、最も多くの機会損失をしています。


5. フォローの目的が曖昧

“とりあえずメール”“何となく電話”というフォローは、
お客様にとって価値がなく、印象にも残りません。

「何のために連絡するのか」が明確でない企業は、フォローが形骸化していきます。


■ 成功している企業に共通するポイント

成功企業は、特別なことをしているわけではありません。
ただただ、展示会後の鉄則を徹底しています。


1. 当日フォロー

展示会当日に必ず
・お礼
・資料
・簡単なヒアリング
を行います。

スピード感が他社を圧倒し、最初のポジションを確保できます。


2. 72時間以内のアプローチ

展示会後3日以内に連絡を入れる企業は、商談化率が2〜3倍に上がります。

“72時間の壁”を理解し、最速で接触するのが成功企業です。


3. 7日以内の価値提供

比較表、チェックリスト、業界情報など
「役立つ情報」を提供することで、

・信頼が生まれる
・検討の材料が増える
・返信が返ってきやすい

という好循環が生まれます。


4. 30日間のシナリオ運用

成功企業は、展示会後30日間を
「興味 → 検討 → 決定」
という心理ステージに合わせ、計画的に情報を届けています。

行き当たりばったりではなく、“ストーリー”で動いています。


5. 自動化とテンプレート活用

成果を出す企業は、営業を“人の努力”に頼りません。

・ステップメール
・LINE自動配信
・行動スコアリング
・テンプレート化
・CRM管理

これらを組み合わせて、
属人的ではなく再現性の高い仕組み
で成果を出しています。


展示会フォローは「徹底した企業が勝つ」

成功企業と失敗企業の差は、営業力でも商材力でもありません。
フォローに対して
・どれだけ本気か
・どれだけ設計されているか
・どれだけ仕組み化できているか
で決まります。

展示会後30日間のフォローは、ただの名刺リストを“売上の源泉”に変える最重要フェーズです。


第9章 まとめ:展示会フォローは「設計すれば勝てる」

展示会の成果は、当日の盛り上がりや名刺交換の数では決まりません。
本当に大きな違いが生まれるのは、展示会後の30日間をどう設計するか です。

展示会で得られるのは、あくまで「出会いのきっかけ」です。
しかし、多くの企業がこの“種”を育てきれずに終わってしまいます。
見込み客との接触が一度きりで終わったり、資料を送っただけでフォローが途切れたり、温度感に合わない連絡をしてしまったり──。

逆に、展示会からしっかり成果を出している企業は例外なく、
展示会後30日間のフォローを「戦略」として運用 しています。


展示会後30日間の成功要素はたった4つ

次の4つが揃うだけで、展示会の効果は数倍に跳ね上がります。


1. 初動のスピード

展示会直後は見込み客の興味が最も高まっている瞬間です。
このタイミングで連絡ができるかどうかで、商談化率は大きく変わります。

早い企業ほど、記憶に残り、比較対象として優先されやすくなります。


2. 価値提供

展示会後のフォローは “売り込む” のではなく、
お客様が検討を進められるように手助けすること が本質です。

・課題の整理
・比較表
・事例
・判断材料の提供

こうした“小さな価値”の積み重ねが、強い信頼関係を生みます。


3. 30日間のシナリオ設計

見込み客は、
「興味 → 検討 → 決定」
と心理が変化します。

この心理に合わせて、
・いつ
・何を
・どの順番で
届けるかを設計しておくことで、自然な流れで商談に繋がります。

行き当たりばったりの連絡では、成果が安定しません。


4. 自動化と仕組み化

展示会後のリードは数が多いため、人手だけではどうしても限界があります。
そこで重要なのが、

・ステップメール
・LINE自動配信
・CRM管理
・スコアリング
・テンプレート化

といった仕組みです。

仕組みが整えば、営業マン1人でも数百件のリードを質高くフォローでき、抜け漏れもなくなります。


展示会は種まき、30日フォローは収穫

展示会はスタート地点にすぎません。
本当の収穫期は、展示会が終わってからの30日間です。

この30日間で
・相手の記憶に残る
・信頼を積み重ねる
・価値を届ける
・自然に商談へ繋げる
という“育成プロセス”を徹底できる企業こそ、展示会を利益へと変えることができます。


結論:成果を得るのは「フォローを設計した企業」

展示会後のフォローは、行き当たりばったりでは絶対に成果に繋がりません。
成功する企業は、
・やるべきことを明確にし
・タイミングを設計し
・仕組みを作り
・継続してフォローし
これらを淡々と徹底しています。

展示会の投資を“費用”で終わらせるか、
“利益を生む仕組み”に変えるかは、
この30日間のフォロー設計にすべてがかかっています。

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