1. はじめに

営業の仕事といえば、「売上を伸ばすこと」が最も重要な目標とされがちです。しかし、単に「売れる営業」になることだけがゴールではありません。本当に優れた営業とは、顧客から信頼され、感謝される存在になることです。
顧客に感謝される営業は、リピートや紹介につながり、結果的に安定した売上を生みます。本記事では、売れる営業の特徴と限界を明らかにし、顧客に感謝される営業に必要な要素と具体的なアクションについて解説します。
2. 売れる営業の特徴と限界
「売れる営業」とは、短期間で高い売上を上げる能力を持つ営業を指します。
企業の利益を生み出すために重要な存在であり、高い成績を上げる営業マンはどの業界でも重宝されます。では、そのような営業が持つ特徴とは何でしょうか?
売れる営業の特徴
1. トークスキルが高く、商品やサービスを魅力的に伝えることができる
- 顧客の興味を引きつける話し方ができる
- 商品の特徴やメリットを分かりやすく伝えられる
- 質問や反論に対して、的確な切り返しができる
2. クロージングの技術が優れており、成約率が高い
- 顧客の不安や疑問を払拭し、購入を後押しする技術がある
- 「今決めるべき理由」を明確にし、背中を押すトークができる
- 価格交渉や条件提示が上手く、顧客を納得させられる
3. 数字に対する意識が強く、売上目標達成を最優先に行動する
- 売上目標やKPI(成約率・アポ数など)を常に意識して行動する
- 数字を追いかけるための努力を惜しまない
- 効率的に商談を回し、短期間で成果を出せる
このようなスキルを持つ営業は、確かに短期間で成果を出しやすく、営業としての評価も高くなります。しかし、こうしたスタイルの営業には限界があるのも事実です。
売れる営業の限界
1. 顧客満足度が低い – 売ることを優先するあまり、顧客の本当のニーズに応えられない
「売れる営業」は、成約率を高めるために強引なセールスを行うこともあります。顧客が本当に求めているものを深く理解せず、商品やサービスのメリットを一方的に押し付けるだけでは、購入後に不満が残る可能性が高くなります。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 顧客の本当の悩みを解決しない商品を売ってしまう → 「言われた通り買ったけど、期待と違った」と感じられる
- デメリットを隠して契約を取る → 契約後に顧客が不信感を抱く
このような営業を続けると、短期的には売上を上げられるかもしれませんが、顧客満足度が低く、クレームや解約につながるリスクが高まります。
2. リピートや紹介が生まれにくい – 一度は購入しても、顧客が継続して利用しようとは思わない
売れる営業は、クロージングの技術によって多くの契約を取ることができます。しかし、「売ったら終わり」の関係になってしまうと、その後のリピートや紹介が期待できません。
リピートが生まれない理由:
- 購入後のフォローが不足している → 顧客は「売られただけ」と感じる
- 契約後に営業が連絡を取らない → 関係性が続かず、次回も同じ会社を選ぶ理由がない
- 「この営業にお願いしたい」と思われていない → 信頼関係が築かれていない
例えば、住宅リフォームの営業で考えてみましょう。
一度は屋根の塗装を契約してもらえたとしても、その後のアフターケアや定期フォローがない場合、次の外壁リフォームの際には別の会社を選ばれてしまう可能性が高いのです。
逆に、「この営業担当者にお願いしたい」と思われる営業は、顧客との関係を継続的に築いていきます。その結果、リピート注文や「友人に紹介したい」という流れが生まれます。
3. 信頼関係が築きにくい – 顧客の立場よりも営業の都合を優先することで、関係が長続きしない
売れる営業は、「目標達成」が優先になりやすいため、顧客のことよりも自分の都合を優先してしまう傾向があります。その結果、以下のような問題が発生します。
- 顧客の意見を十分に聞かずに、営業トークを進めてしまう
- 成約を急ぐあまり、顧客のペースを無視する
- 「この営業は自分のことしか考えていない」と思われてしまう
例えば、営業のノルマが厳しい場合、月末になると「今月中に契約してください」と強引なクロージングをしてしまうことがあります。しかし、顧客にとって最適なタイミングでない場合、それは単なる押し売りと受け取られてしまう可能性があります。
このような営業スタイルでは、顧客との関係が長続きしません。信頼関係が築けていないと、顧客が次に同じ商品やサービスを検討する際に、別の営業担当者や会社を選ぶことになります。
3. 感謝される営業が持つ3つの要素

単に「売れる営業」ではなく、顧客から感謝される営業になるためには、次の3つの要素が欠かせません。
1. 顧客理解 – 顧客の本当の悩みやニーズを深掘りする
多くの営業は、顧客が求める商品やサービスを売ろうとしますが、本当に感謝される営業は「顧客がなぜその商品を求めているのか?」を徹底的に掘り下げます。
なぜ顧客理解が重要なのか?
顧客が本当に必要としているものを知ることで、最適な提案ができるからです。表面的なニーズではなく、本質的な悩みを解決できる営業が、最も感謝されます。
深掘りしたヒアリングの例
ただ商品を紹介するのではなく、以下のような質問を通じて、顧客の課題や背景を理解することが重要です。
表面的な質問 | 深掘りした質問 |
---|---|
「この商品に興味がありますか?」 | 「この商品を検討されている理由は何ですか?」 |
「今のお困りごとは?」 | 「具体的にどのような問題が発生していますか?それによってどんな影響がありますか?」 |
「ご予算はいくらですか?」 | 「この投資によって、どんな成果を期待されていますか?」 |
具体例
- 住宅リフォームの営業の場合
- 表面的な質問:「外壁塗装を検討されていますか?」
- 深掘りした質問:「家の劣化が気になりますか?それとも、見た目を良くしたいですか?」
このように、顧客の本音を引き出すことで、「本当に必要な提案」ができるようになります。
2. 価値提供 – ただ売るのではなく、顧客にとっての最適解を提案
「売れる営業」は、自社の商品やサービスを魅力的に伝えることに重点を置きます。しかし、「感謝される営業」は、顧客にとって本当に役立つ解決策を提案することを重視します。
価値提供のポイント
✅ 顧客の課題に合わせた提案をする
✅ メリットだけでなく、デメリットも伝える
✅ 時には「売らない」選択肢を提示する
単なる販売と価値提供の違い
単なる販売 | 価値提供 |
---|---|
商品の魅力を伝えることが主目的 | 顧客の悩みを解決することが主目的 |
どの顧客にも同じ提案をする | 顧客ごとにカスタマイズした提案をする |
すぐに契約を取ることを優先する | 顧客の理解を得ることを優先する |
具体例
- 住宅リフォーム営業の場合
- 売る営業:「この塗料は長持ちするのでおすすめです!」
- 感謝される営業:「この地域は湿気が多いので、カビが発生しにくい塗料の方が適していますよ。」
- 保険営業の場合
- 売る営業:「この保険は人気があります!」
- 感謝される営業:「お客様のライフプランを考えると、もう少し保障の手厚いプランの方が安心できますよ。」
このように、「顧客が本当に求めているもの」を提案することで、信頼される営業になれます。
3. 信頼関係 – 長期的な関係を築き、顧客に寄り添う姿勢
「売れる営業」は契約を取ることを最優先にしますが、「感謝される営業」は契約後のフォローアップを徹底し、長期的な信頼関係を築きます。
信頼関係を築くための3つのポイント
- 契約後のフォローを欠かさない
- 商品やサービスを購入した後も、定期的に連絡を取り、顧客の満足度を確認する。
- 「その後、問題なくお使いいただけていますか?」などの気遣いが大切。
- 顧客の変化に合わせた提案をする
- 一度契約したら終わりではなく、顧客のライフスタイルや状況の変化に応じた提案を行う。
- 「売る」ことよりも「顧客の成功」を考える
- 顧客が本当に満足し、成功することを第一に考えることで、自然と信頼が生まれる。
感謝される営業と売れる営業の違い(まとめ)
売れる営業 | 感謝される営業 |
---|---|
短期的な売上を重視 | 長期的な信頼を重視 |
トーク力で売り込む | 顧客の話をしっかり聞く |
できるだけ多くの商品を売る | 顧客に最適な商品を提案する |
契約後はフォローが少ない | 契約後も継続的にフォローする |
顧客のニーズを表面的に捉える | 顧客の本音を深掘りする |
4. 感謝される営業になるための具体的なアクション

感謝される営業になるためには、「売る」ことだけを意識するのではなく、顧客の成功や満足に貢献する姿勢が重要です。以下の4つのアクションを具体的に実践することで、顧客との信頼関係を築き、長期的に感謝される営業へと成長できます。
1. ヒアリング力を高める質問術
感謝される営業になるには、「話す営業」ではなく「聞く営業」になることが大切です。顧客の本音や隠れたニーズを引き出すための質問を意識し、深掘りすることが重要です。
ヒアリングの基本ルール
- オープンクエスチョンを活用する(Yes/Noで答えられる質問ではなく、自由に話せる質問をする)
- 相手の言葉を繰り返して共感を示す(「○○でお困りなんですね」と反復することで信頼感が生まれる)
- 焦らずじっくり聞く(営業側が話しすぎると、顧客の本音を引き出せない)
ヒアリングの具体例
目的 | 一般的な質問 | 深掘りした質問 |
---|---|---|
顧客の課題を知る | 「どんなことでお困りですか?」 | 「具体的にどんな問題が発生していますか?」 |
期待を確認する | 「この商品に興味はありますか?」 | 「この商品にどんなことを期待していますか?」 |
過去の経験を知る | 「今まで似た商品を使ったことはありますか?」 | 「過去に試したことがある商品で、満足できなかった点は何ですか?」 |
具体例
- 住宅リフォーム営業の場合
- ❌「外壁塗装を検討されていますか?」
- ✅「今の外壁の状態について、何か気になっている点はありますか?」
このように、顧客が抱える問題を具体的に引き出すことで、より適切な提案ができるようになります。
2. 顧客の課題解決につながる情報提供
顧客は、単に商品を買いたいのではなく、「悩みを解決したい」と思っています。そのため、売り込むのではなく、「顧客にとって役立つ情報」を提供することが大切です。
効果的な情報提供のポイント
✅ 顧客の状況に応じた解決策を提案する
✅ 実際の事例やデータを活用し、具体的なイメージを持たせる
✅ 専門知識を活かして、顧客に新しい視点を与える
情報提供の具体例
状況 | 一般的な説明 | 価値提供する説明 |
---|---|---|
太陽光発電を検討中の顧客 | 「電気代が節約できます!」 | 「4人家族の場合、年間○○円の電気代削減が可能で、10年後には○○円のコストカットになります。」 |
住宅リフォームを検討中の顧客 | 「この塗料は長持ちします!」 | 「この塗料は紫外線に強く、○○年耐久があるため、メンテナンス費用を抑えることができます。」 |
具体例
- 営業:「この商品を導入すると、1年間で○○円のコスト削減が期待できます。実際に導入されたお客様の事例をご紹介しますね。」
このように、顧客にとって役立つ情報を提供することで、「この営業の話は信頼できる」と感じてもらうことができます。
3. 契約後のフォローアップとアフターサービス
契約を取ることがゴールではなく、その後のフォローアップが「感謝される営業」になるための重要なポイントです。
フォローアップの基本ルール
- 定期的に連絡を取る(契約後の1週間後・1か月後・3か月後など)
- 顧客が困っていることを把握し、サポートする
- 追加の情報提供を行うことで、顧客の満足度を向上させる
フォローアップの具体例
タイミング | フォロー内容 |
---|---|
契約後1週間 | 「その後、問題なくご利用いただけていますか?」 |
契約後1か月 | 「何か改善したい点はありますか?さらに快適に使うためのアドバイスもありますよ。」 |
契約後6か月 | 「最近の状況はいかがですか?追加のサポートが必要でしたら、いつでもご連絡ください。」 |
具体例
- 住宅リフォームの営業の場合
- 施工後1か月:「外壁の状態はいかがですか?もし気になる点があれば、すぐにご連絡ください。」
- 施工後6か月:「雨が多い時期ですが、何か問題はありませんか?点検が必要でしたら対応いたします。」
このようにフォローをしっかり行うことで、顧客の信頼を得て、リピートや紹介につなげることができます。
4. リピート・紹介を生む営業の工夫
感謝される営業になると、自然とリピート顧客や紹介が増えていきます。そのためには、以下のような工夫をすることが大切です。
リピート顧客を増やす方法
✅ 定期的なコンタクトを取り、関係を維持する
✅ 顧客が役立つ情報を定期的に提供する(ニュースレター、LINE、メールなど)
✅ アフターサポートを充実させることで、次回も相談してもらえる環境を作る
紹介を増やすための工夫
✅ 紹介キャンペーンや特典を設ける(紹介してくれた顧客に特典を提供する)
✅ イベントやセミナーを開催し、顧客との接点を増やす
✅ 「紹介したい」と思われるほどの信頼関係を築く
具体例
- 「○○さんのお知り合いで、同じようにお悩みの方がいれば、ご紹介いただけると嬉しいです!」と伝える
- 紹介キャンペーンを活用する(例:紹介で両者に特典)
5. 事例紹介 – 感謝される営業の成功事例

感謝される営業は、単に売上を上げるだけでなく、顧客との信頼関係を築き、長期的に関わることができる営業です。ここでは、実際に感謝された営業の成功事例を2つ紹介します。
ケース1:顧客の課題に寄り添った提案が成約につながった事例
背景
ある住宅リフォーム会社の営業担当者(Aさん)は、50代の夫婦から「外壁塗装をしたい」という相談を受けました。顧客はインターネットで見つけた特定の塗料を希望していましたが、Aさんは単にその塗料を勧めるのではなく、ヒアリングを重視しました。
ヒアリング内容
- なぜ外壁塗装をしたいのか?
→ 「家の見た目を良くするため」と思っていたが、実際には外壁の劣化によるカビやひび割れが心配だった。 - どのくらいの耐久性を求めているのか?
→ 「長く持つものがいいが、あまりメンテナンス費用はかけたくない。」 - 他に気になることはあるか?
→ 「夏場の暑さが気になる。外壁の塗り替えで少しでも涼しくなるなら嬉しい。」
提案内容
顧客が希望していた塗料は、見た目の美しさには優れているものの、耐久性がそこまで高くなく、遮熱効果も期待できないものでした。Aさんは、顧客の本当のニーズに合わせて以下の提案を行いました。
- 耐久性が高く、長期間メンテナンス不要の塗料を提案(長期的なコスト削減につながる)
- 遮熱効果のある塗料を併用し、夏場の室温上昇を抑える工夫
- 施工時期を考慮し、気候の影響を受けにくいタイミングで実施する提案
結果
顧客はAさんの提案に納得し、「単に希望通りの塗料を売るのではなく、私たちのことを本当に考えてくれた」と感謝。結果的に成約し、さらに追加で「屋根の塗装」も依頼することになりました。
ケース2:契約後のフォローでリピート購入につながった事例
背景
Bさんは、法人向けのオフィス用品を販売する営業担当者でした。ある企業に高機能プリンターを販売したものの、契約後しばらくは特に連絡を取っていませんでした。しかし、上司のアドバイスで「契約後のフォローアップが大切」ということを学び、実践することにしました。
契約後のフォローアップ
Bさんは、契約後のフォローを次のように行いました。
- 導入1週間後に連絡
- 「プリンターの使い勝手はいかがですか?何か不便な点やお困りごとはありませんか?」
- → 顧客:「特に問題はないけど、スキャン機能をもっと活用したい」
- 導入1か月後に訪問し、操作サポートを実施
- 実際に顧客のオフィスを訪れ、プリンターの便利な機能や操作方法をレクチャー。
- → 顧客:「すごく助かる!もっと早く知りたかった!」
- 導入3か月後、印刷コスト削減の提案
- 「使用状況を見て、もう少しコストを抑えられる方法があるので、ご提案させていただきます。」
- → 顧客:「そんな方法があるんですね!ぜひ教えてください。」
結果
このフォローを通じて顧客の満足度が高まり、追加でオフィスチェアやデスクの購入を依頼されることに。さらに、顧客が別の会社の担当者にBさんの話をし、「紹介したい」ということで、新規顧客獲得にもつながった。
成功事例から学ぶポイント
ケース1:顧客の課題に寄り添った提案が成約につながる
✅ 顧客の希望にそのまま応じるのではなく、本当のニーズを引き出す
✅ 商品のメリット・デメリットを正直に伝え、最適な選択肢を提案する
✅ 顧客のライフスタイルや課題を深く理解することで、感謝される営業になる
ケース2:契約後のフォローでリピート購入&紹介につながる
✅ 契約後のフォローを定期的に行い、顧客との関係を強化する
✅ 商品の活用方法を提案し、顧客の満足度を向上させる
✅ 追加提案を行い、顧客のビジネスや生活の改善に貢献する
6. 感謝される営業がもたらすメリット

感謝される営業になることは、単に「良い人」で終わるのではなく、ビジネスの成長にも大きく貢献します。顧客の信頼を得ることで、リピート購入や口コミが増え、営業としてのやりがいも向上します。ここでは、具体的なメリットについて詳しく解説します。
1. 顧客の信頼による継続的な売上
信頼関係が長期的な売上につながる理由
✅ 顧客が「この営業から買いたい」と思うようになる
✅ リピート購入の可能性が高まる
✅ 「安心感」が契約の決め手になり、競合と比較されにくくなる
営業で一番大変なのは「新規顧客の獲得」です。しかし、一度信頼を築くと、顧客は継続的に取引をしてくれるため、長期的に安定した売上を生み出すことができます。
具体例:リフォーム業界のケース
- Aさんは外壁塗装を契約した後も、定期的に顧客と連絡を取り合い、雨漏り対策や屋根修理などの相談に乗っていた。
- 3年後、同じ顧客が「今度は内装リフォームもお願いしたい」と追加契約。
- さらに、「知人もリフォームを考えている」と紹介を受け、新規契約が決まった。
このように、信頼関係を築いた顧客は、将来的にも売上をもたらしてくれます。
2. 口コミ・紹介で新規顧客が増える
なぜ紹介が生まれるのか?
✅ 顧客は「良い経験」をすると、周りの人にも伝えたくなる
✅ 知人や友人に「この営業は信頼できる」と紹介したくなる
✅ 口コミによって、新規顧客獲得のコストが下がる
顧客が感謝の気持ちを持つと、「この人にお願いすれば間違いない」という気持ちになり、自然と紹介が発生します。
具体例:保険営業のケース
- Bさんは、保険契約をした顧客に「本当に必要な保障」だけを提案し、契約後もライフステージの変化に合わせたアドバイスを行った。
- 顧客は「売り込まれることなく、本当に必要なものを提案してもらえた」と感謝し、友人にBさんを紹介。
- 結果として、紹介経由で3件の新規契約につながった。
口コミや紹介は、営業の最大の武器になります。信頼関係を築くことで、新規顧客を獲得するためのコストと労力を大幅に削減できます。
3. 営業としてのやりがいが向上する
営業のやりがいとは?
✅ 顧客に「ありがとう」と言われると、仕事の満足度が高まる
✅ 自分の提案が顧客の役に立ったと実感できる
✅ 数字だけではなく、人とのつながりを感じられる
「売上を上げること」だけを目的にしていると、成果が出ないときにモチベーションが下がりやすくなります。しかし、感謝される営業になると、仕事の本質が「人の役に立つこと」に変わるため、やりがいが持続します。
具体例:住宅営業のケース
- Cさんは、新築住宅の営業を担当。契約後も、顧客の家づくりに寄り添い、引き渡し後も「住み心地はいかがですか?」と定期フォロー。
- 数年後、その顧客の子どもが家を建てることになり、「Cさんにお願いしたい」と指名。
- さらに、「家を建てるならCさんがいいよ!」と口コミが広がり、3件の新規契約につながった。
営業として、自分の仕事が誰かの人生に貢献できていると実感できる瞬間は、大きな喜びとなります。
4. 感謝される営業は結果的に売上にも直結する
感謝される営業が売上を伸ばす理由
✅ 長期的な関係を築けるため、継続的な売上が発生する
✅ 口コミや紹介が増え、新規顧客獲得が楽になる
✅ 顧客満足度が高いため、価格競争に巻き込まれにくくなる
感謝される営業は、目先の数字を追うのではなく、顧客の課題解決に集中するため、結果的に売上にもつながります。
数字だけを追う営業 vs 感謝される営業の違い
項目 | 数字だけを追う営業 | 感謝される営業 |
---|---|---|
契約後 | 次の新規顧客を探す | 契約後もフォローを継続 |
リピート | 少ない | 高い |
口コミ・紹介 | ほぼなし | たくさん発生する |
信頼関係 | 一度きりの関係 | 長期的な関係 |
売上だけを追いかける営業は、短期的には成果を出せても、長期的に見ると新規開拓を続けなければならず、負担が大きくなります。一方で、感謝される営業はリピートや紹介が自然に増えるため、営業活動がより楽になり、持続的に成果を上げることができます。
7. まとめ – 「売れる」から「感謝される」営業へのシフト

ここでは、「売れる営業」から「感謝される営業」へと変わるために意識すべきポイントを整理し、実践できるアクションを解説します。
1. 売上だけを追うのではなく、顧客の課題を解決することを意識する
売れる営業の考え方
- 「どうやって契約を取るか?」を重視
- 商品の魅力を伝えることにフォーカス
- とにかく多くの人に売ろうとする
感謝される営業の考え方
- 「この顧客の課題をどう解決できるか?」を重視
- 商品を売る前に、顧客のニーズをしっかり聞く
- 一人ひとりの顧客に寄り添い、最適な解決策を提案
具体的なアクション
✅ 「売る」よりも「解決する」を意識する(売るための話ではなく、顧客の悩みに寄り添う話をする)
✅ 顧客の本音を引き出すヒアリングを行う(なぜその商品を検討しているのか?どんな悩みがあるのか?を深掘りする)
✅ 顧客の課題に合った最適な提案をする(本当に必要な商品・サービスを提案し、ときには「売らない選択」もする)
例:リフォーム営業の場合
- ❌ 「この塗料は今キャンペーン中なのでお得です!」(売ることが目的)
- ✅ 「家の外壁の劣化具合を考えると、耐久性の高い塗料のほうが長く安心できますね。」(顧客の悩みにフォーカス)
2. 短期的な利益ではなく、長期的な信頼関係を築くことを重視する
売れる営業の特徴
- 目標達成を優先し、売れたら終わり
- 契約後のフォローをあまりしない
- 短期間で多くの顧客に売ろうとする
感謝される営業の特徴
- 売った後のフォローを大切にする
- 「この人から買ってよかった」と思ってもらう
- 長期的な信頼関係を築き、リピート・紹介を増やす
具体的なアクション
✅ 契約後のフォローをしっかり行う(定期的に連絡し、アフターフォローを充実させる)
✅ 顧客のライフスタイルや変化に合わせた提案を行う(一度の契約で終わらず、長く付き合う意識を持つ)
✅ 「顧客の未来」を考えた提案をする(今だけでなく、将来的に役立つアドバイスをする)
例:法人営業の場合
- ❌ 「新しいオフィス家具を導入しませんか?」(売ることが目的)
- ✅ 「今後の社員数の増加を考えると、長期的に使えるレイアウトを提案できます。」(顧客の将来を考えた提案)
3. 営業のゴールは「売ること」ではなく、「顧客に喜んでもらうこと」
営業の最終目標は「契約を取ること」ではなく、「顧客に満足してもらい、長く関係を続けること」です。
売れる営業のゴール
- 目標達成(売上)のために営業活動をする
- とにかく契約を取ることが目的
- 契約後は次の顧客を探す
感謝される営業のゴール
- 顧客が本当に満足し、信頼を築くことを最優先する
- 「この営業から買ってよかった」と思ってもらう
- 契約後もフォローを続け、顧客との関係を継続する
具体的なアクション
✅ 「契約後も顧客との関係を維持する」という意識を持つ
✅ 営業の仕事を「売る」ではなく、「顧客の成功をサポートする」ことと考える
✅ 顧客が満足するために、プラスαの提案やサービスを提供する
例:BtoB営業の場合
- ❌ 「新しいシステムを導入しませんか?」(売ることが目的)
- ✅ 「業務の効率化につながるシステムを導入することで、作業時間が20%短縮できますよ。」(顧客の成功を意識)
4. 感謝される営業を目指すことで、長期的に成功し、営業としてのやりがいも格段に増していく
感謝される営業になると、結果的に営業としての成功にもつながります。
✅ リピートや紹介が増え、安定した売上を確保できる
✅ 顧客との信頼関係が築けるため、価格競争に巻き込まれにくい
✅ 「ありがとう」と言われることで、仕事のやりがいが格段に増す
営業の仕事は「売ること」だけではなく、顧客の人生やビジネスに貢献できる大きな価値を持っています。今日から実践できることを一つずつ取り入れ、顧客との信頼関係を深めていきましょう。
【まとめ】「売れる営業」から「感謝される営業」へのシフト方法
✅ 感謝される営業になるための4つの意識改革
- 「売る」のではなく「顧客の課題を解決する」ことを意識する
- 短期的な利益ではなく、長期的な信頼関係を築くことを重視する
- 営業のゴールは「売ること」ではなく、「顧客に喜んでもらうこと」
- 感謝される営業を目指すことで、やりがいも増し、長期的に成功する
✅ 今日からできるアクション
- 顧客の悩みを深くヒアリングし、本当に必要なものを提案する
- 契約後のフォローを大切にし、顧客との関係を継続する
- 口コミや紹介が自然に増えるような誠実な営業を心がける
感謝される営業を目指すことで、結果的に売上も伸び、営業としてのやりがいも大きくなります。今すぐ実践できることから始めて、顧客との長期的な関係を築いていきましょう!
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