なぜ優秀な営業ほど「比較させる営業」に切り替えているのか?

副業・企業するならエキスパで決まり!
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営業スキル・ノウハウ
  1. はじめに
  2. 第1章|価格競争に巻き込まれる営業の共通点
    1. 1-1. なぜ「説明型営業」は必ず価格勝負になるのか
    2. 1-2. 比較を避ける営業ほど、実は不利になる構造
    3. 1-3. お客様は「安さ」ではなく「判断のしやすさ」を求めている
  3. 第2章|「比較させる営業」とは何か?
    1. 2-1. 比較させる=値段を並べることではない
    2. 2-2. 優秀な営業がやっている比較の本質
    3. 2-3. 比較の主導権を握る人・失う人の決定的な違い
  4. 第3章|なぜ優秀な営業ほど比較を歓迎するのか
    1. 3-1. 比較されても負けない設計ができている
    2. 3-2. 「選ばれない理由」を先に消している
    3. 3-3. 即決率が上がる営業は、比較のゴールを決めている
  5. 第4章|価格競争から抜ける「比較の設計図」
    1. 4-1. 比較軸をずらす3つの視点
    2. 4-2. 商品比較ではなく「判断比較」に切り替える
    3. 4-3. 比較表・質問・資料はこう作る
  6. 第5章|比較させる営業でやってはいけないNG例
    1. 5-1. ただ相見積もりを勧める営業が失敗する理由
    2. 5-2. 比較を丸投げすると価格競争に戻る
    3. 5-3. 「うちは高いですけど…」が一番危険な一言
  7. 第6章|現場で使える「比較させる営業」の実践ステップ
    1. 6-1. 初回接触でやるべき比較の布石
    2. 6-2. 商談中に使える比較誘導トーク例
    3. 6-3. 再訪・検討時に差がつくフォローの仕方
  8. 第7章|比較させる営業が向いている人・向いていない人
    1. 7-1. この営業手法で成果が出やすい人
    2. 7-2. うまくいかない人の共通点
    3. 7-3. チーム営業・新人教育への応用方法
  9. おわりに

はじめに

「今回は他社に決まりました。理由は価格です」

この言葉を聞いた瞬間、
多くの営業はこう考えます。
「もっと安くできていれば…」
「結局、価格勝負だったのか…」

しかし、本当にそうだったのでしょうか。

実際の現場をよく観察すると、
価格で負けた案件の多くは、
価格が出る前から勝敗が決まっていることがほとんどです。

・何を基準に比べればいいのか分からない
・違いが理解できない
・判断に自信が持てない

こうした状態に置かれたお客様は、
最後に「一番分かりやすい指標」である
価格に頼らざるを得ません。

つまり、
「価格で負けた」のではなく、
判断基準を渡していなかったのです。


一方で、成果を出し続けている営業は違います。

彼らは
「比較されること」
「相見積もりになること」
を恐れません。

むしろ、
「比較される前提」で商談を設計しています。

なぜなら、
比較は避けるものではなく、
主導するものだと理解しているからです。

優秀な営業ほど、
商品や価格を比べさせるのではなく、
「考え方」「判断の軸」「選んだ後の未来」を
比べさせています。


本記事でお伝えしたいのは、
小手先の営業トークや値引きテクニックではありません。

・なぜ比較を避ける営業ほど価格競争に陥るのか
・なぜ比較を歓迎する営業ほど即決率が上がるのか
・どうすれば価格ではなく“納得”で選ばれるのか

その構造と、
明日から現場で使える実践の考え方を解説します。

もしあなたが、
「ちゃんと説明しているのに選ばれない」
「毎回、価格の話で終わってしまう」
「比較されると不利になると感じている」
のであれば、

この記事は、
営業のやり方を根本から見直すきっかけになるはずです。

価格競争から抜ける第一歩は、
売り方を変えることではありません。
比較の握り方を変えることです。


第1章|価格競争に巻き込まれる営業の共通点

1-1. なぜ「説明型営業」は必ず価格勝負になるのか

多くの営業が無意識にやっているのが、
「自社の商品・サービスを丁寧に説明する営業」です。

機能、特徴、実績、こだわり、強み。
資料を使い、順序立てて、分かりやすく説明する。
一見すると、理想的な営業に見えます。

しかし、この“丁寧さ”こそが、
価格競争を招く最大の原因になっていることは、
あまり知られていません。

なぜなら、説明を重ねるほど、
お客様の頭の中では次のような処理が行われるからです。

「なるほど、分かった」
「でも、他社も同じようなことを言っていた」
「結局、何が決定的に違うのかは分からない」

ここで起きているのは、
理解はしているが、判断はできていない状態です。

判断できない情報は、
最終的に「分かりやすい指標」に置き換えられます。
それが、価格です。

つまり説明型営業とは、
お客様に“比較できない情報”を大量に渡し、
最後に価格で整理させてしまう営業なのです。


1-2. 比較を避ける営業ほど、実は不利になる構造

価格競争を避けたい営業ほど、
次のように考えがちです。

「相見積もりになると不利だ」
「比較されない状況を作ろう」
「うちだけを見てもらえれば、価値は伝わるはずだ」

しかし現実には、
お客様が比較をやめることはありません。

比較を避けた瞬間、
営業は“比較の主導権”を手放します。

その結果、何が起きるのか。

・お客様は自分なりの基準で比較を始める
・専門的な違いは分からないため、単純な項目を見る
・最も分かりやすい価格が判断軸になる
・営業側は「なぜ選ばれなかったか」が分からない

これは、営業が弱いのではありません。
判断基準を設計しなかっただけなのです。

比較を避ける営業ほど、
無意識に価格比較へと誘導してしまう。
これが、価格競争に巻き込まれる構造です。


1-3. お客様は「安さ」ではなく「判断のしやすさ」を求めている

ここで、営業が必ず押さえておくべき前提があります。

多くのお客様は、
「できるだけ安く買いたい」と思っているわけではありません。

本当は、
「この選択で失敗しないか」
「後悔しない判断か」
「誰かに説明できる選択か」
を気にしています。

特に、金額が大きい商材や、
やり直しがきかないサービスほど、
この傾向は強くなります。

判断に迷ったとき、
人は“安いから”ではなく、
“納得できる理由があるから”選びたいのです。

だからこそ、
売れている営業は商品を説明しません。
判断基準を整理して提示します。

「ここを重視するならA」
「ここを避けたいならB」
「この条件なら、この選択が一番安全」

このように、
判断しやすい基準を差し出した営業が、
結果として選ばれます。

価格は、
その判断基準の中の一要素に過ぎなくなります。


第2章|「比較させる営業」とは何か?

2-1. 比較させる=値段を並べることではない

「比較させる営業」と聞くと、
多くの人が真っ先に思い浮かべるのは
価格表、相見積もり、他社との金額比較です。

しかし、それは比較させる営業の本質ではありません

むしろ、
値段だけを並べる行為は、
比較の主導権を完全に手放す行為です。

本来の「比較させる営業」とは、
何と何を、どの基準で比べるかを決めることです。

つまり、
比較の軸を営業側が意図的に設計する営業手法です。

比較は自然発生するものではありません。
設計しなければ、
お客様は一番分かりやすい軸――価格で比べます。

だから優秀な営業ほど、
価格の前に「比べる物差し」を差し出します。


2-2. 優秀な営業がやっている比較の本質

成果を出し続けている営業は、
商品そのものを並べて比べさせていません。

なぜなら、
商品比較は必ず機能差・価格差の話になり、
最後は値段に回収されるからです。

優秀な営業が比べさせているのは、
次のような“目に見えない要素”です。

・どんな考え方で設計されているか
・選択したときに、どんなリスクが残るか
・数年後、どんな状態になっているか
・トラブルが起きたとき、誰がどう責任を取るか

これらは商品説明では伝わりません。
しかし、判断には直結する要素です。

つまり、
優秀な営業は商品を比べさせるのではなく、
「判断の前提条件」を比べさせています。

この瞬間、
お客様の思考は
「どこが安いか」から
「どの選択が正しいか」へと切り替わります。


2-3. 比較の主導権を握る人・失う人の決定的な違い

比較の主導権を失っている営業は、
無意識のうちにこうなります。

・お客様が独自に比較を始める
・営業は比較の内容を把握できない
・結果だけが後から伝えられる
・理由は「価格」や「今回は見送り」になる

この状態では、
営業は改善のしようがありません。

一方で、
比較の主導権を握っている営業は違います。

・比較するポイントを事前に提示する
・迷いそうなポイントを先に言語化する
・判断のゴールを共有する
・選ばれなかった理由も把握できる

その結果、
お客様は比較しているつもりでも、
実際には営業が用意した土俵の上で判断しています。

ここで比べられているのは、
価格や機能ではありません。

「この選択で後悔しないか」
「自分の判断は間違っていないか」
という安心の比較です。


第3章|なぜ優秀な営業ほど比較を歓迎するのか

3-1. 比較されても負けない設計ができている

多くの営業は、
「比較される=不利になる」と考えています。

しかし、成果を出し続けている営業は、
そもそも比較された時点で負けない状態を作っています。

彼らがやっているのは、
話し方の工夫ではありません。
商談の設計です。

具体的には、次のようなことを
比較される前に済ませています。

・「選ばれない理由」を自分から言語化する
・お客様が不安に思いそうな点を先に出す
・価格差が出る理由を、意味づけして説明する

この時点で、
お客様の頭の中ではこうなります。

「ここは分かってくれている」
「隠されている感じがしない」
「比較しても、ちゃんと考えられそうだ」

つまり、
比較そのものが“不安”ではなく、
納得の確認作業に変わります。

比較されても
「なるほど」と思われる状態を
先に作っている。
これが、比較を恐れない最大の理由です。


3-2. 「選ばれない理由」を先に消している

営業において、
選ばれない理由が後から出てくるのは致命的です。

なぜなら、
その理由は、
お客様の中で“答えが固まった後”に出てくるからです。

優秀な営業は、
それをよく理解しています。

だからこそ、
商談の早い段階で、あえてこう言います。

「もし今回、他社を選ばれるとしたら、
理由はこの3つだと思います」

この一言には、
大きな効果があります。

・お客様の不安が言語化される
・隠れていた疑問が表に出る
・比較のポイントが整理される

結果として、
比較は「迷い」ではなく
確認作業になります。

また、
選ばれない理由を自分から出せる営業は、
それに対する説明や対処も用意しています。

だから、
比較されても軸がブレません。


3-3. 即決率が上がる営業は、比較のゴールを決めている

比較が長引く最大の原因は、
「いつ終わるか分からない」ことです。

お客様自身も、
「どこまで比べればいいのか」
分からない状態に陥っています。

優秀な営業は、
比較のゴールを最初に提示します。

たとえば、
次のような形です。

「ここが納得できれば、
あとは価格を含めて判断していただいて大丈夫です」

「この点だけ確認できれば、
今日決める・決めないがはっきりします」

こうして、
比較の終着点を明確にします。

すると、
お客様の思考はこう変わります。

「まだ迷っていい」から
「ここを確認すればいい」へ。

結果として、
即決率が上がります。

重要なのは、
急かすことではありません。

判断に必要な要素を、先に揃えることです。


第4章|価格競争から抜ける「比較の設計図」

4-1. 比較軸をずらす3つの視点

価格競争から抜けるために最初にやるべきことは、
値引きでも話し方の工夫でもありません。

比較軸をずらすことです。

お客様は、
営業が何も提示しなければ
「価格」という最も分かりやすい軸で比べます。

だからこそ、
先に“別の物差し”を渡します。

基本となるのが、次の3つの視点です。


価格軸:初期費用ではなく総コスト

多くの比較は、
初期費用だけで行われます。

しかし、
実際にお客様が負担するのは
・修理費
・追加工事
・再契約
・時間的ロス

を含めた総コストです。

優秀な営業は、
「安い・高い」ではなく
「どこにお金がかかるか」を整理して見せます。


安心軸:トラブル時の対応・責任範囲

価格比較では見えないのが、
トラブル時の対応です。

・誰が対応するのか
・どこまで責任を持つのか
・対応スピードはどうか

この部分を明確にするだけで、
比較の重心は大きく変わります。

安心は、
金額ではなく構造で比べられます。


未来軸:数年後の状態・再発リスク

お客様は、
「今どうなるか」より
「あとでどうなるか」に不安を感じています。

・数年後、同じ問題は起きないか
・再度費用がかからないか
・自分の判断は正しかったと言えるか

未来の話を先に出すことで、
比較は短期から長期へと移ります。


4-2. 商品比較ではなく「判断比較」に切り替える

商品を比べさせると、
必ず価格の話になります。

なぜなら、
商品は“スペック”で比較され、
スペックは“数値”に還元されるからです。

一方で、
判断を比べさせると話は変わります。

「どちらが安いか」ではなく
「どちらの判断が後悔しないか」

この問いに変わった瞬間、
お客様は“自分の立場”で考え始めます。

優秀な営業は、
商品ではなく、
選択の意味を並べます。

・Aを選んだ場合の安心
・Bを選んだ場合の不安
・選ばなかったときのリスク

比較の対象が
モノから判断に変わることで、
価格は一要素に下がります。


4-3. 比較表・質問・資料はこう作る

比較を設計するうえで重要なのは、
ツールの作り方です。

比較表

多くの営業資料は、
項目が多すぎます。

項目が増えるほど、
お客様は迷い、
最後に価格だけを見ます。

・項目は絞る
・数値より意味を書く
・価格は最後に置く

たとえば、
「保証年数」ではなく
「トラブル時に誰が最後まで責任を持つか」
といった表現に変えます。


質問設計

質問も、
比較を左右します。

「どこが不安ですか?」
という質問は、
漠然としすぎています。

代わりに、
こう聞きます。

「どこで判断が止まりそうですか?」

この質問は、
比較の“詰まりポイント”を
具体的に引き出します。


資料の役割

資料は、
説得するためのものではありません。

判断を整理するためのものです。

資料を渡すときは、
「ここを見てください」ではなく
「ここを比べてください」と伝えます。


第5章|比較させる営業でやってはいけないNG例

5-1. ただ相見積もりを勧める営業が失敗する理由

「一応、相見積もりも取ってみてください」

一見すると、
誠実でフェアな営業に見えるかもしれません。
しかしこの一言は、
比較の主導権を完全に手放す行為です。

なぜなら、
「相見積もりを取る」=
「どう比べるかはお任せします」
と言っているのと同じだからです。

その瞬間、
お客様の頭の中ではこうなります。

・専門的な違いはよく分からない
・同じような説明が続く
・結局、数字で見るしかない

結果、
比較は価格だけに集約されます。

比較させる営業とは、
相見積もりを否定することではありません。

相見積もりの“見方”まで設計することです。

「もし比べるなら、
この3点だけは見てください」

この一言があるかないかで、
結果は大きく変わります。


5-2. 比較を丸投げすると価格競争に戻る

「他社さんも含めて、
自由に比較してみてください」

この言葉も、
一見するとお客様思いに聞こえます。

しかし実際には、
これは価格競争への招待状です。

なぜなら、
比較を丸投げされたお客様は、
次のような状態になるからです。

・何を基準に比べればいいか分からない
・判断材料が多すぎて整理できない
・最終的に一番分かりやすい数字を見る

結果、
「安い方が無難」という判断に戻ります。

比較には、
必ず誘導と整理が必要です。

誘導とは、
「どこを見るか」を示すこと。
整理とは、
「どう判断すればいいか」を整えること。

この2つをやらずに比較させると、
どんな高付加価値商材でも
価格競争に引き戻されます。


5-3. 「うちは高いですけど…」が一番危険な一言

営業が無意識に言ってしまう
最も危険な一言があります。

「正直、うちは少し高いですけど…」

この瞬間、
商談の主役は
商品でも判断でもなく、
価格になります。

しかも問題なのは、
この一言が
“価格に理由がある”と説明する前に
価格を強調してしまう点です。

お客様の頭の中では、
こう処理されます。

「高いんだ」
「じゃあ、安い方と比べよう」

価格は、
意味づけしてから出すものです。

・なぜ価格差が出るのか
・その差で何が変わるのか
・どこにお金が使われているのか

これらを説明したに、
初めて価格は納得されます。

価格を先に出した瞬間、
どんな価値説明も
言い訳に聞こえてしまいます。


第6章|現場で使える「比較させる営業」の実践ステップ

6-1. 初回接触でやるべき比較の布石

多くの営業が、
初回接触でやってしまう失敗があります。

それは、
「良さを伝えよう」としてしまうことです。

しかし、
初回でやるべきことは
売ることでも、説得することでもありません。

比較の前提を揃えることです。

なぜなら、
この前提が揃っていないまま進むと、
あとから必ず
「よく分からないから、安い方で」
という判断に戻るからです。

初回接触で意識すべきポイントは次の3つです。

・今回は“比較前提”の話であることを伝える
・どんな基準で判断するのが良いかを共有する
・今日決める話ではないと安心させる

たとえば、
こんな言い方です。

「今日は決める話ではなくて、
あとで比較するときに
何を基準に考えればいいかを
一緒に整理する時間だと思ってください」

この一言で、
お客様の警戒心は下がり、
同時に“比較は正しい行為”だと認識されます。

比較を前提にした時点で、
主導権は営業側に戻ります。


6-2. 商談中に使える比較誘導トーク例

商談中、
多くの営業は
価格の話をできるだけ後ろに回そうとします。

しかし、
優秀な営業は違います。

価格差が出る前提で話をします。

たとえば、
次の一言です。

「正直、他社さんと比べると
価格差は出ると思います。
そのとき、何を基準に判断したいですか?」

この質問のポイントは、
価格を避けていないことです。

価格を先に認めたうえで、
判断基準をお客様に考えてもらいます。

すると、
お客様の思考はこう変わります。

「安さだけで決めていいのかな」
「他に見るべき点がありそうだ」

ここで初めて、
安心・リスク・将来といった
比較軸を提示する意味が生まれます。

この順番を間違えると、
価値説明はすべて“後出し言い訳”になります。


6-3. 再訪・検討時に差がつくフォローの仕方

再訪や検討中のフォローで、
多くの営業がつい言ってしまうのが
「どうでしたか?」です。

しかしこの質問は、
情報をほとんど引き出せません。

なぜなら、
お客様はこう答えるしかないからです。

「まだ検討中です」
「家族と相談していて」

比較を一段進めたいなら、
聞くべき質問は別にあります。

それが、
次の一言です。

「今、どこで判断が止まっていますか?」

この質問は、
比較の“詰まりポイント”を
ピンポイントで引き出します。

・価格なのか
・安心面なのか
・家族の意見なのか
・他社との違いなのか

理由が分かれば、
やるべきことは明確です。

追加説明なのか、
比較表の修正なのか、
判断材料の整理なのか。

フォローとは、
背中を押すことではありません。

判断を一段進めることです。


第7章|比較させる営業が向いている人・向いていない人

7-1. この営業手法で成果が出やすい人

比較させる営業は、
すべての営業に万能な手法ではありません。

しかし、
次の条件に当てはまる人ほど、
成果が安定しやすくなります。

価格以外の価値がある人・商材

比較させる営業は、
「安さ」で勝つ手法ではありません。

・品質
・安全性
・対応力
・継続サポート

こうした価格以外の価値が
実際に存在している人ほど、
比較の設計が機能します。

価値があるのに、
比較の仕方を提示できていない営業ほど、
この手法の効果は大きくなります。


長期視点の商品・サービスを扱っている人

短期的な消費財よりも、
・高単価
・長期利用
・やり直しがきかない

こうした商材ほど、
お客様は「正しい判断」を求めます。

比較させる営業は、
短期的なお得感ではなく、
長期的な安心を伝える手法です。

だからこそ、
長期視点の商材との相性が非常に良いのです。


信頼関係を重視したい人

売り切り型の営業ではなく、
・紹介
・継続取引
・長期関係

を重視したい人ほど、
比較させる営業は武器になります。

比較を主導する営業は、
「売りたい人」ではなく
「一緒に考えてくれる人」と認識されます。

結果として、
信頼が積み上がり、
営業成績も安定します。


7-2. うまくいかない人の共通点

一方で、
この営業手法がうまく機能しにくい人もいます。

説明で勝とうとする人

「ちゃんと説明すれば分かってもらえる」
という発想のままでは、
比較させる営業は成立しません。

説明は理解を生みますが、
判断は生みません。

判断を設計する意識がないと、
比較はすぐ価格に戻ります。


不安を隠そうとする人

弱みや不安点を
後から出そうとする営業は、
比較の主導権を失います。

比較させる営業では、
不安は“隠すもの”ではなく
“先に整理するもの”です。

これができないと、
比較は警戒に変わります。


比較を怖がる人

比較そのものを
「負けにつながる行為」と捉えている人は、
無意識に比較を避けます。

その結果、
お客様は自分なりに比較し、
営業は理由を知らないまま失注します。

比較を怖がる限り、
主導権は取り戻せません。


7-3. チーム営業・新人教育への応用方法

比較させる営業の最大の強みは、
個人技にしなくていい点です。

なぜなら、
話術ではなく
「設計」で成り立つからです。

チームや新人教育に落とす際は、
次の3点を型として共有します。


比較軸のテンプレ化

・価格軸
・安心軸
・未来軸

この3軸を、
業種・商材ごとに
テンプレとして用意します。

新人は、
その軸に沿って話すだけで、
自然と比較を主導できます。


質問の型を固定する

・「価格差が出たとき、何を基準に判断しますか?」
・「どこで判断が止まりそうですか?」

このような質問を
“使っていい言葉”として共有します。

言葉が揃えば、
商談の質も揃います。


比較表・資料を共通化する

資料は、
営業個人が作るものではありません。

「この資料を使えば、
この比較ができる」
という形で共通化することで、
再現性が生まれます。


おわりに

価格競争から抜ける方法は、
値下げでも、話し方を磨くことでもありません。

多くの営業が勘違いしがちですが、
価格競争は「避けよう」とした瞬間に始まります。

なぜなら、
比較を避けた営業ほど、
お客様に判断を委ねてしまうからです。

結果として、
お客様は自分なりの基準で比較し、
最も分かりやすい指標である
価格に判断を委ねることになります。


一方で、
比較の主導権を握っている営業は違います。

彼らは、
比較されることを恐れていません。

すでに、
・何を比べるのか
・どこを見ればいいのか
・どこまで確認すれば判断できるのか

を整理し、
お客様の前に差し出しています。

だから、
比較されても勝ち負けの話にならないのです。


比較されても選ばれる営業は、
もう戦っていません。

売り込むことも、
説得することもしていません。

ただ、
判断を助け、
納得を作り、
決断を後押ししているだけです。

この状態に入ると、
価格は交渉材料ではなく、
判断材料の一部に下がります。


今日からできる一歩は、とてもシンプルです。

「比べられる前に、比べ方を示す」

それだけで、
営業の立ち位置は大きく変わります。

説明する人から、
判断を支える人へ。

売る人から、
選ばれる理由を作る人へ。


もし、
「ちゃんと説明しているのに決まらない」
「毎回、価格の話で終わってしまう」
と感じているなら、

それは、
あなたの営業力が足りないのではありません。

比較の設計が、まだ手元にないだけです。

比べ方を変えれば、
結果は自然と変わります。

今日の一件から、
ぜひ意識してみてください。

営業の景色は、
想像以上に静かに、
しかし確実に変わっていきます。

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