① はじめに:負けが続いた日々
470,790円。
これが、少し前までの自分の口座残高だった。
でも、そこから何があったのかというと――
−66,870円のドローダウン。
トレードのたびに「ああ入っちゃった」とエントリーし、
根拠のない利確、遅すぎる損切り。
「いけるかも」という期待と、「また負けるかも」という不安がぐちゃぐちゃに入り混じって、
気づけば、口座残高は43万円台まで落ちていた。
チャートを開けば苦しくなる。
どこでエントリーしてもやられるような気がする。
なのに、また入って、また負ける。
そんな感情的なトレードの連続だった。
自信なんて、とっくになくなっていた。
「もうやめようかな」
そう思った日もある。
でも、心のどこかで思っていた。
「まだ“ちゃんとやれてない”。
本気で“ルール通り”にトレードしたことなんて一度でもあっただろうか?」
その問いかけに、正直、自信を持って「ある」とは言えなかった。
だからこそ、やろうと思った。
感情じゃなく、“戦略”で勝負する。
今回は、その覚悟で挑んだ、
第3波と第5波――“型を守って勝ちきった”トレード記録です。
② 今回の相場環境
トレードしたのは、**2025年7月28日(月)**のドル円(USD/JPY)。
使った時間足は、1時間足と15分足の組み合わせ。
上位足(1時間)で大きな流れとトレンドラインを確認しながら、
エントリーとエグジットの判断は、すべて15分足のローソク足で行った。
この日は、朝からドル円が上昇トレンドを形成している状況だった。
特に印象的だったのは、安値を切り上げながら高値も更新していく“美しい上昇波形”。
まさに、エリオット波動の第3波と第5波を狙える相場環境だった。
以下が、自分が採用した波のカウント(エリオット波動)である。
✅ エリオット波動のカウント(ざっくりと)
波 | 値動き(目安) | コメント |
---|---|---|
第1波 | 147.516 → 148.024 | 明確な上昇スタート |
第2波 | 148.024 → 147.626 | 約78%押しの深い調整波 |
第3波(狙い1) | 147.626 → 148.208 | 上昇加速が起きた王道の波 |
第4波 | 148.208 → 147.794 | 深押し気味だが、まだ構造は生きていた |
第5波(狙い2) | 147.794 → 148.316 | 最終上昇波、ローソク足での反発を確認してエントリー |
この相場では、
ダウ理論の高値・安値の切り上げ、トレンドラインの反発、出来高、フィボナッチリトレースメント/エクステンションをすべて合わせて分析。
「今ここが何波なのか」
「次に買うならどこか」
「利確の目安はどこか」
――それを感情ではなく、構造と確率で判断した。
だからこそ、「第3波と第5波」だけに絞って勝負するという戦略が、
本当に機能したと思っている。
③ 第3波トレードの記録
この第3波のトレードは、
自分にとって「戦略を守り切って、利益を積み上げた初めての体験」だった。
まずはエントリーの場面。
147.626まで深く押した第2波のあと、価格はトレンドラインでしっかり反発。
ローソク足には下ヒゲ付きの包み陽線が現れた。
ここで「これは第3波になる」と確信して、7ロットでロングエントリー。
✅ トレード根拠
- ダウ理論の安値切り上げ
- フィボ61.8%付近での反発
- トレンドラインに支えられた形状
- ローソク足:15分足で包み陽線出現
✅ 分割利確の記録(感情ではなく計画)
区分 | ロット | 利確価格(想定) | 利益額 | コメント |
---|---|---|---|---|
第1利確 | 2ロット | 148.00付近 | 約 +5,840円 | 押し目反発の初動利確◎ |
第2利確 | 2ロット | 148.20付近 | 約 +12,920円 | 第3波の王道ターゲット利確◎ |
最終利確 | 1ロット | 148.018〜148.10付近 | 約 +3,980円 | ストップにかかる前の勝ち逃げ✨ |
✅ 合計利益:+22,740円
7ロットすべてをプラスで利確
“感覚”ではなく、“根拠と戦略”に基づいた行動だけで積み上げた利益。
この第3波の利確で学んだことは明確だった。
「利確は一発で当てに行かなくていい。分ければいい。」
途中、チャートがもみ合って迷いも出た。
でも、分割しておいたおかげで**“逃げ場”が残っていた。**
ローソク足の上ヒゲや出来高の変化を見て、
「ここで逃げよう」と判断できたこと――
それが、これまでの自分とは明確に違っていた。
この第3波は、技術的にも精神的にも、
「自分が変わった」と確信できた勝利だった。
④ 第5波トレードの記録
第3波を完璧に取ったあと、「もう今日は終わりでもいいかな」と一瞬思った。
でも、チャートはまだ終わっていなかった。
148.208の高値をつけたあと、第4波の調整が始まった。
最初は「軽く押してすぐ上がるだろう」と思っていたが、
価格はどんどん下がっていき、147.794付近まで深く押してきた。
「第4波としては深すぎるかも…」
そんな不安もあったけど、
トレンドラインがまだ生きていたし、
フィボ61.8%ラインの上でもう一度止まった。
そして、15分足で包み陽線が出た。
「来た。これは第5波になる。」
ここで、再び7ロットでロングエントリー。
今度は前回以上に緊張していた。
第4波が深かったぶん、「もしここで失敗したら…」という怖さがあった。
でも、それ以上に、「これは“来る形”だ」という信頼感が勝っていた。
✅ トレード条件
- エントリー:147.94〜147.95付近
-
根拠:
- フィボ61.8%からの反発
- トレンドラインが生きている
- 包み陽線の出現
- 1時間足でも構造が崩れていない
✅ 利確戦略(今回は特に“逃げ時”を意識)
-
148.15で2ロット利確(+4,700円)
→ 前回の成功体験と同じライン。「ここで逃げないと、また崩れるかもしれない」という冷静さがあった。 -
148.316で2ロット利確(+7,540円)
→ フィボ1.0倍直前。出来高が上昇し、上ヒゲが出たタイミングでサクッと。 -
148.27〜148.29で3ロット利確(+9,930円)
→ 上ヒゲ陰線を見て「ここが限界だ」と判断。
✅ 結果:+22,170円の利益(またしても7ロット全利確!)
正直、第5波をここまできれいに取れると思っていなかった。
しかも、第3波とまったく同じように、分割利確で利益を積み上げられたことが一番の自信になった。
「第4波の深押しにも耐えた自分」
「ローソク足の形を信じて入った自分」
「上ヒゲと出来高で手じまいできた自分」
どれも、以前の“感覚だけで動いていた自分”にはできなかったことだった。
⑤ なぜ勝てたのか? 自分なりの振り返り
今回のトレードで感じたことは、ただひとつ。
**「戦略を守れば、感情に勝てる」**ということだった。
ここまで負けてきたのは、テクニカルが下手だったからじゃない。
エントリーポイントや手法は、実は以前からある程度知っていた。
でも、それを守り切れていなかった。
今回勝てた理由をあえてまとめると、次の3つに集約される。
✅ ① 利確を決めつけず、“分けて逃げた”
前までは「どこまで伸びるか」を一発で当てに行っていた。
でも今回からは、分割利確を前提にしたトレード設計に切り替えた。
→ これによって「利益を守りながら、夢を伸ばす」というメンタルが作れた。
→ 結果、すべてのロットをプラスで逃がすことができた。
✅ ② 損切りを“構造の下”に正しく置けた
適当に「この辺に置こう」で損切りしていた頃と違い、
今回はダウ理論上の安値/第2波の安値/トレンドラインの下といった
“意味のある場所”にストップを置けた。
→ だからこそ「ストップにかかっても納得できる」という冷静さがあった。
→ 実際、ストップにかかることなく勝ち逃げできた。
✅ ③ ローソク足・出来高・フィボを「重ねて判断」した
「陽線が出たから買う」「トレンドラインで止まったから入る」――
今までなら単体で見ていた材料を、今回は複数重ねて見た。
- ローソク足(下ヒゲ・包み足)
- フィボナッチ(61.8%押し、1.0倍利確)
- 出来高(天井圏で急増 → 利確判断)
- トレンドライン(割らない限り構造継続)
→ この“複数の根拠”が重なったポイントでだけ、エントリー&利確を実行した。
→ だからこそ、感情ではなく“確信”を持って行動できた。
この3つを守ったことで、負けていた自分から、勝てる自分に変わる手応えがあった。
そしてこれは、「再現できる勝ち方」だと、今なら断言できる。
この第5波は、金額以上に“経験としての価値”があった。
⑥ 最後に:負けても“型”を持てば取り返せる
今回、自分が証明できたのはひとつだけ。
**「負けていても、“型”を持てば必ず取り返せる」**ということ。
正直、470,790円あった残高は、気づけば43万円台。
−66,870円という数字は、自分の弱さの集大成だった。
焦り、飛び乗り、無根拠で利確し、損切は遅れ、連敗を重ねた。
でもそこから、“型”を持ってトレードに向き合った。
- エントリーは「ローソク足×トレンド×出来高」の重なりだけ
- 損切りは“構造を崩すラインの下”に
- 利確は“分割で、感情よりも構造に従って”
この“型”を守ったことで、
第3波と第5波、2回のトレードで +22,740円 & +22,170円 の利益。
負けをすぐに取り戻せたわけじゃない。
でも、「取り返す自分になれた」という手応えが今、確かにある。
もう感覚でトレードはしない。
もう雰囲気で利確もしない。
“型を持ったトレーダー”として、次も淡々とやるだけ。
どれだけ負けていても、
自分の中に“勝ち方の型”があれば、何度でも立ち上がれる。
今回の勝利は、その確かな証拠になった。
⑦ 終わりに:残高よりも、自信が戻った。
今回の第3波・第5波のトレードを終えたあとの残高は、478,870円。
今回の第21話のスタートが470,790円からスタートして、
一時は43万円台まで落ち込んだ。
それを戻すのは、冷静さと、言われた通りやる!それだけだった。
でも、今回のトレードを終えて感じているのは、
単なる「残高が戻った嬉しさ」だけじゃない。
それ以上に――
「戦略通りにやれば、取り返せる」
「感情ではなく“型”でトレードできる自分に戻れた」
この感覚が、何よりの収穫だった。
正直、第3波と第5波を両方きれいに取れたのは初めて。
今までなら「もう少し伸びるかも」と欲をかいて全ロット握りつぶしていた。
でも今回は、分割利確・ストップ設定・構造に従った判断が全部できた。
そして今、思っていることがある。
「次は第1波から取りにいきたい」
今までは第1波を“ただの上げの始まり”として見過ごしていた。
でも、今回のようにトレンド全体を波でとらえてみると、
第1波こそが、すべての始まりなんだと気づいた。
第1波から乗れれば、
2波の押しにも余裕で耐えられる。
3波の爆発も握っていられる。
「まだ行ける」
そう思えた今だからこそ、
次は第1波からしっかり狙っていく。
FXはいつだって難しい。
でも、自分の中に“型”があれば、
また何度でも立ち上がって、積み上げられる。
今回の勝利は、その“自分の型”を初めて体感できたトレードだった。
次もまた、狙うのは「感情」じゃない。
1波・3波・5波――戦略通りの波だけ。
この記録は、感覚トレードを卒業した証として、ここに残しておきたい。
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