
成果を出すために押さえるべき構造の違い、コンサルタントとして成果を出すには「誰を相手にしているのか」を正しく理解する必要があります。
BtoB(法人向け)コンサルと、BtoC(個人向け)コンサルでは、戦略設計が根本から異なります。同じサービス内容でも、売り方・価格設計・提案資料・関係構築の方法は変わります。本記事では、BtoBとBtoCの戦略的な違いを構造的に解説します。
1. 意思決定構造の違い
■ BtoBコンサル:組織で決めるという構造
法人の意思決定は、基本的に“合議制”です。
1人の感情では動きません。
① 複数の立場が存在する
法人では、以下のように立場ごとに視点が違います。
・担当者:実務に使えるかどうか
・上司:部門目標に貢献するか
・決裁者:会社全体の利益に影響するか
・経理:予算内か、コスト妥当か
・関係部署:他部門に影響はないか
つまり、あなたの提案は
“多面的に評価される”前提で作る必要があります。
② 感情よりも合理性が優先される理由
法人では、担当者が個人的に「いい」と思っても、それだけでは決まりません。
なぜなら、
・責任が伴う
・説明責任がある
・組織の資金を使う
からです。
そのため、重視されるのは
・数字
・根拠
・再現性
・リスク管理
です。
「なんとなく良い」では通りません。
③ 社内で説明できるかどうかが勝負
BtoBで最も重要なのは、
「その担当者が社内で説明できる提案か?」
という視点です。
担当者はあなたの味方であると同時に、
“社内営業マン”になります。
そのため、
・資料が整理されている
・数値根拠が明確
・比較優位がはっきりしている
・リスク対策が示されている
ことが重要です。
BtoBは、
“通す設計”ができているかどうか
がすべてです。
■ BtoCコンサル:個人が決めるという構造
BtoCの場合、意思決定は本人が行います。
ただし、ここで重要なのは、
合理的判断ではなく、感情判断が強い
という点です。
① 個人の判断は心理に左右される
個人が動く要因は、
・この人が好きか
・信頼できるか
・共感できるか
・未来が明るく見えるか
です。
論理は必要ですが、
最後に背中を押すのは感情です。
② 「この人に任せたい」が決定打
BtoCでは、
・専門性
・実績
・価格
よりも、
「この人と一緒にやりたい」
が決め手になることが多いです。
特にコンサルの場合は、
人そのものが商品になります。
③ 不安の扱い方が違う
BtoBはリスク回避。
BtoCは感情不安。
BtoCで多い不安は、
・本当に変われるか
・お金が無駄にならないか
・続けられるか
です。
ここを感情レベルで安心させる必要があります。
■ 決定的な違いまとめ
| 視点 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
| 意思決定 | 組織 | 個人 |
| 判断軸 | 合理性・数値 | 感情・信頼 |
| 決定スピード | 遅い | 早いことも多い |
| 必要要素 | 説明資料 | 共感と安心 |
■ なぜこの違いが重要か
この構造を理解していないと、
BtoB相手に感情トークをしてしまい
BtoC相手にデータばかり見せてしまう
というミスマッチが起きます。
営業やコンサルの成約率が低い原因の多くは、
能力不足ではなく、構造ミスです。
2. 価格戦略の違い
■ BtoBコンサルの価格戦略

価格は「コスト」ではなく「投資」で判断される
法人が見るのは価格そのものではありません。
見るのは、
その価格が“いくら生むのか”です。
① 法人は費用対効果で判断する
法人の意思決定基準は合理性です。
例えば:
・売上がどれくらい上がるか
・どれだけコストが削減できるか
・人件費がどれだけ圧縮できるか
・業務時間がどれだけ短縮できるか
これらを数値で示せるかどうかが重要です。
② 高価格でも通る理由
BtoBでは、価格が高いこと自体は問題ではありません。
問題なのは、
「回収できるかどうか」
です。
例えば:
コンサル費用が100万円でも、
年間300万円の利益改善が見込めるなら合理的です。
法人は、
価格 × 回収期間 × リスク
で判断します。
③ 投資対効果を明確にする方法
BtoB価格戦略のポイントは、
・回収シミュレーションを出す
・KPI設計を明確にする
・成功事例を提示する
・リスク低減策を示す
価格ではなく、
ROI(投資利益率)で話す。
これがBtoB価格戦略の本質です。
④ 価格を下げるのではなく、合理性を上げる
法人相手にやってはいけないのは、
すぐに値引きすること。
値引きは信頼を下げます。
正解は、
合理性を強化すること。
・成果保証
・段階契約
・成果連動型設計
価格を説明できる状態を作るのが戦略です。
■ BtoCコンサルの価格戦略
価格は「意味」で判断される
個人はROIで動きません。
動くのは、
体感価値です。
① 個人は心理的価値で判断する
BtoCでは、次のような感情が価格を正当化します。
・このままではまずい
・変わりたい
・不安を解消したい
・未来を明確にしたい
価格は、
「その変化に対して払えるか」
で決まります。
② 数字よりも“変化”が重要
BtoCで、
「これで売上が○%上がります」
よりも、
「あなたの人生がこう変わります」
の方が刺さる場合が多いです。
個人は、
損得よりも意味で動きます。
③ 価格よりも“納得感”
個人は価格に敏感ですが、
納得すれば払います。
納得を作る要素は、
・共感
・ストーリー
・実績
・未来イメージ
価格は問題ではなく、
“価値の伝達不足”が問題であることが多い。
④ 「その人にとっての意味」を作る
BtoCで重要なのは、
このサービスが“なぜこの人に必要なのか”
を明確にすること。
同じ価格でも、
意味が強ければ高く感じません。
意味が弱ければ高く感じます。
■ BtoBとBtoCの価格構造比較
| 視点 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
| 判断基準 | ROI・合理性 | 感情・意味 |
| 高価格の通し方 | 回収設計 | 変化設計 |
| 値引きの影響 | 信頼低下 | 価値低下 |
| 重要要素 | 数字 | 共感 |
■ 本質的な違い
BtoBは
「いくら生むか?」
BtoCは
「どれだけ変わるか?」
この違いを理解せずに価格設計をすると、
BtoBに感情トークをし
BtoCに数字だけを出す
というミスマッチが起きます。
3. 提案設計の違い
■ BtoBコンサルの提案設計
論理構成がすべて
BtoBの提案は「説得」ではなく、「承認を通す設計」です。
そのため、感情よりも構造が重要になります。
① 課題分析が出発点
法人提案で最初に必要なのは、
「課題の定義」です。
・どこに問題があるのか
・なぜ今解決が必要なのか
・放置するとどうなるのか
ここが曖昧だと、提案は通りません。
課題の言語化が鋭いほど、信頼が生まれます。
② 現状データの提示
法人は事実ベースで判断します。
・現状数値
・業界平均
・競合比較
・現場の実態
“感覚”ではなく“データ”で話すことが必須です。
データがない提案は弱い。
③ 改善シナリオの提示
単に問題を指摘するだけでは不十分です。
重要なのは、
・どの順番で
・どの施策を
・どれくらいの期間で
実行するのか。
実行プロセスが明確であるほど、通りやすい。
④ 数値目標の設定
法人は成果を測ります。
・売上○%向上
・コスト○%削減
・工数○時間削減
定量目標がない提案は弱い。
BtoBは、成果の見える化が命です。
⑤ KPI設計
法人は「管理できるか」を見ています。
・途中経過の指標
・評価基準
・レポート方法
ここまで設計できていると、信頼度が一段上がります。
⑥ 資料は“社内回覧前提”
BtoB提案の最大のポイントはここです。
その場のプレゼンだけではなく、
社内で回される資料として成立しているか?
・要点が整理されている
・上司に説明しやすい
・経理が理解できる
・リスクが明確
提案相手は「社内営業マン」になります。
その人を助ける資料が正解です。
■ BtoCコンサルの提案設計
感情の流れがすべて
BtoCでは、構造よりも「感情の移動」が重要です。
提案はプレゼンではなく、
感情設計です。
① 共感から始める
いきなり提案しません。
まず、
・今の悩み
・不安
・迷い
を深く理解し、共感する。
「わかってくれている」
この感覚が土台になります。
② 理想の未来を描く
BtoCでは未来設計が鍵です。
・どう変わるのか
・どんな生活になるのか
・何が手に入るのか
数字よりも、体験イメージ。
感情が動けば、判断が動きます。
③ 変化のストーリー
人はストーリーに反応します。
・過去 → 現在 → 未来
・悩み → 解決 → 成果
ストーリーで語ることで、納得が生まれます。
④ サポート内容の明確化
BtoCでは、
「自分でもできるか?」
が不安になります。
そのため、
・どこまで伴走するのか
・どんなフォローがあるのか
・困ったときどうするか
を具体化します。
安心が価格を正当化します。
⑤ プレゼンではなく対話設計
BtoC提案で最も重要なのは、
一方通行にしないこと。
・相手に問いかける
・確認する
・一緒に整理する
対話の中で納得を作る。
決断は押すものではなく、自然に出てくるものです。
■ 構造の違いまとめ
| 項目 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
| 出発点 | 課題分析 | 共感 |
| 主軸 | 論理構成 | 感情設計 |
| 重視点 | 数字・KPI | 未来イメージ |
| 成功条件 | 社内承認 | 心理的納得 |
4. 集客戦略の違い

■ BtoBコンサルの集客戦略
信頼が先、認知は後
BtoBの集客は「数」より「質」です。
法人は、知らない人から突然契約しません。
まず信頼を確認します。
そのため、即効性よりも信用蓄積型の戦略になります。
① 紹介
BtoBで最も強い集客経路は紹介です。
理由は明確です。
・既に信頼が移転されている
・比較検討のハードルが低い
・決裁までが早い
法人はリスクを避けるため、信頼経由を好みます。
紹介を増やすには、
・成果実績
・顧客満足度
・明確な専門性
が必要です。
② セミナー
法人は「情報収集」から入ります。
・業界課題
・最新トレンド
・成功事例
をテーマにしたセミナーは効果的です。
セミナーは即契約の場ではありません。
「専門家として認識される場」です。
③ 業界特化発信
BtoBでは、広くよりも深くが重要です。
・建築業界専門
・医療業界専門
・IT業界専門
のように、特化することで専門性が生まれます。
法人は“何でも屋”より“専門家”を選びます。
④ 法人営業
BtoBではアウトバウンドも有効です。
・テレアポ
・DM
・メール営業
・紹介依頼
ただし、押し売りではなく、
課題提起型の営業が効果的です。
⑤ BtoB集客の特徴まとめ
・決裁まで時間がかかる
・単価が高い
・信頼構築が必須
・専門性が重要
「今すぐ契約」よりも、
「検討リストに入る」ことが第一段階です。
■ BtoCコンサルの集客戦略
認知→共感→信頼の導線設計
BtoCはまず認知から始まります。
個人は、
・知らない
・興味がない
・必要性を感じていない
状態からスタートします。
そのため、導線設計が重要になります。
① SNS
BtoCではSNSが主戦場になります。
・日常発信
・価値観発信
・実績共有
・学びの提供
SNSは信頼構築装置です。
頻度と一貫性が重要です。
② 動画
動画は信頼を一気に高めます。
なぜなら、
・表情
・声
・雰囲気
が伝わるからです。
BtoCでは「人」で選ばれるため、動画は強い武器になります。
③ ストーリー発信
個人はストーリーに反応します。
・なぜこの仕事をしているのか
・どんな過去があったのか
・どんな想いで支援しているのか
共感が信頼を生みます。
④ 無料コンテンツ
BtoCでは「体験」が重要です。
・無料相談
・無料セミナー
・PDF資料
・チェックリスト
無料で価値を体験させることで、心理的ハードルが下がります。
⑤ BtoC集客の特徴まとめ
・認知が最優先
・感情導線が重要
・人柄で選ばれる
・スピードが早い
BtoCは“関係構築型マーケティング”です。
■ 決定的な違い
| 視点 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
| 集客軸 | 信頼 | 認知 |
| 重要要素 | 実績・専門性 | 人柄・共感 |
| スピード | 遅い | 早い |
| 単価 | 高い | 幅広い |
5. 継続戦略の違い
■ BtoBコンサルの継続戦略
継続は“感情”ではなく“成果”で決まる
法人は、関係性だけでは継続しません。
・売上が伸びた
・コストが削減された
・業務効率が改善された
この「成果」が出て初めて、契約は更新されます。
① 数値改善が第一条件
法人は結果を測ります。
例えば、
・前年比○%向上
・工数○%削減
・粗利○%改善
など、定量成果が明確であることが重要です。
成果が見えないと、
「継続する理由」が作れません。
② 業務定着が継続を生む
単発の成果では不十分です。
重要なのは、
仕組みとして定着しているか。
・マニュアル化
・社内共有
・担当者教育
・自走化支援
「このコンサルがいないと回らない」ではなく、
「この仕組みがあるから回る」
状態を作ることが鍵です。
③ レポート提出が信頼を維持する
法人は“可視化”を求めます。
・月次報告
・KPI推移
・改善施策
・課題整理
これを定期的に出すことで、
「成果が見える」状態を維持します。
継続とは、
成果を見せ続けることです。
④ BtoB継続の本質
法人は、
「継続する合理的理由」
があれば更新します。
逆に、関係が良くても成果が出なければ切られます。
BtoB継続は、
成果管理ビジネスです。
■ BtoCコンサルの継続戦略
継続は“心理的満足度”で決まる
個人は法人と違い、
必ずしも数字で判断しません。
継続の軸は、
・満足感
・安心感
・成長実感
です。
① 感情サポートが重要
個人は不安を抱えています。
・本当に変われるのか
・続けられるのか
・間違っていないか
ここに寄り添うことが継続につながります。
コンサルは情報提供ではなく、
心理的支援でもあります。
② 伴走感を作る
BtoCでは、
「一人でやっている感覚」
が生まれると離脱します。
重要なのは、
・定期連絡
・フィードバック
・進捗確認
・励まし
“常に隣にいる感覚”を作ること。
③ 変化実感を作る
個人は成果よりも、
「変わっている感覚」
に反応します。
・考え方が変わった
・行動が変わった
・自信がついた
この実感があると継続します。
数値よりも、
自己成長の体感です。
④ BtoC継続の本質
個人は、
「この人と続けたい」
と思えれば継続します。
合理性よりも、
関係性が鍵です。
■ 決定的な違い
| 視点 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
| 継続基準 | 数値成果 | 心理的満足 |
| 重視要素 | KPI・レポート | 伴走感・共感 |
| 更新理由 | 合理性 | 信頼関係 |
| 切られる理由 | 成果不足 | 不安増大 |
6. リスク管理の違い

■ BtoBコンサルのリスク管理
法人は「責任リスク」を最も恐れる
法人が敏感なのは、金額そのものよりも
・失敗した場合の責任
・社内評価への影響
・法的リスク
・情報漏洩リスク
です。
担当者は常に考えています。
「これが失敗したら、自分の責任になるのではないか?」
この不安を消せるかどうかが鍵です。
① 契約条件の明確化
BtoBでは、曖昧さはリスクです。
・契約期間
・途中解約条件
・支払い条件
・成果物の定義
が明確であることが重要です。
「後で揉めない設計」になっているかが信頼につながります。
② 守秘義務の徹底
法人は情報漏洩を極端に嫌います。
・機密情報の扱い
・データ管理体制
・NDA(秘密保持契約)
を明確に提示できると、安心度が上がります。
守秘義務の整備は、BtoBでは必須です。
③ 成果定義の明確化
BtoBでトラブルになるのは、
「成果とは何か」が曖昧な場合です。
例えば、
・売上○%向上
・問い合わせ数○件
・成約率○%改善
など、定量定義を明確にします。
曖昧な約束は後のリスクになります。
④ 責任範囲の線引き
法人は、
「どこまでがコンサルの責任か」
を明確にしたがります。
例えば、
・実行はクライアント側
・結果は共同責任
・施策提案までが範囲
など、線引きが必要です。
線引きがあることで、安心して発注できます。
■ BtoCコンサルのリスク管理
個人は「心理的リスク」を恐れる
BtoCでは、法人のような法的リスクよりも、
・失敗する不安
・後悔する不安
・続けられない不安
が大きな障壁になります。
個人のリスクは“心理”です。
① 「本当に変われるのか」という不安
個人は成果保証よりも、
「自分でもできるのか」
を不安に思います。
対策は、
・具体的な成功事例
・段階設計
・小さな成功体験の提示
変化のプロセスを可視化することです。
② 「お金が無駄にならないか」という不安
BtoCでは金額が心理的負担になります。
対策は、
・返金保証
・分割払い
・お試し期間
・成果保証
などの安心材料です。
ただし、乱用は価値を下げるので設計が重要です。
③ 「途中で挫折しないか」という不安
個人は自分の継続力に不安があります。
対策は、
・定期フォロー
・チャットサポート
・進捗確認
・伴走設計
「一人にしない」仕組みが重要です。
■ 決定的な違い
| 視点 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
| 主なリスク | 法的・責任 | 心理的・感情 |
| 必要設計 | 契約・成果定義 | 保証・サポート |
| 重視点 | 明確さ | 安心感 |

コメント